キャッシングの基礎

キャッシングで消費者がお金を借りる理由と、自己破産する原因

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キャッシングする理由のランキングで、ベスト3は下の通りです。

  • 1位…生活費・教育費の不足
  • 2位…サービス・商品の購入
  • 3位…住宅ローン等の借金返済

という風です。これは金融庁の調査によるものですが、以下、詳しくまとめます。

「収入の減少・低収入」が圧倒的に多い

昔はキャッシングで借金するというと「贅沢のため」という理由が多かったものです。バブル期の1980年代ですね。

しかし、時代が変わって現在では、キャッシングは完全に「低収入の人のため」のサービスになっています。「生活していくために、致し方なくお金を借りる」ということですね。

実際、上では単純に「ベスト3」としましたが、パーセンテージを見るとこれらは全然「並んでいない」ことがわかります。「生活費の不足」がダントツなんですね。

以下、ベスト3も含めてすべての理由を一覧にします。↓

借金の原因・理由 件数 割合
低収入・収入の減少(生活費・教育費の不足)等 9,517 26%
商品・サービス購入 2,365 6.5%
住宅ローン等の借金の返済 2,215 6.1%
事業資金の補填 2,039 5.6%
ギャンブル・遊興費 1,787 4.9%
保証・借金肩代わり 1,728 4.7%
本人、家族の病気・けが 1,156 3.2%
その他 2,559 7%
不明 14,494 39.7%

(出典:金融庁『財務局等及び地方自治体における多重債務相談の状況について』(2011年度)

「生活費の不足」が、買い物の4倍

カードローンで借金地獄に陥るというと、何となく「浪費癖の激しいOLが、ブランド品などを買いまくって破産する」というイメージがあるかも知れません。実際、先にも書いた通りバブル期はこのパターンが非常に多かったのです。

(バブル期でなく2000年代だったら、作家の中村うさぎさんが一番有名ですね)

しかし、そうした「買い物による借金」の、実にぴったり4倍、生活費・教育費の不足による借り入れが多いわけですね。キャッシングする人の4分の1は、こうした「貧しさ」によって借り入れをするわけです。

「貧しさ」の理由はもっと多い

上の表をよく見ていただくとわかりますが、下の理由も「貧しさ」分類されるものです。

  • 事業資金の補填…5.6%
  • 保証・借金の肩代わり…4.7%
  • 住宅ローンなど、借金の返済…6.1%
  • 本人、家族の怪我・病気…3.2%

という風です。これらの合計は、19.6%。「生活費」の26%と合計すると、「45.6%」です。つまり―。

  • キャッシングする人の約半分は
  • 贅沢や浪費・ギャンブルなどのためではなく
  • 生活や借金返済のために、致し方なく借りている

ということがわかります。もちろん、「致し方なく」という点については、「そうなる前に、何とかできなかったのか?」という見方もあるでしょう。

ただ、小さい頃に虐待されていたり、しっかりした教育を受けられなかった人が大人になると、確かな経済感覚を持って生きていく、というのは難しいものです。

経済感覚はしっかりしていても、知能が不足していたり、鬱病体質だったりしたら、やはり仕事ができなくなって借金苦…ということはよくあります。

ということで、生活費が不足してキャッシングする人には、ある程度の「情状酌量」の余地があるわけです。もちろん、これを言い出すと社会問題全般と向き合っていかなくてはいけないので、簡単なことではないのですが…。

とにかく、人々がカードローンなどでお金を借りる理由というのは、お金を借りたことがない人が思うよりも、「ずっと切実」なのです。

自己破産の原因・理由は?

こうして生活に困った人は、その後自己破産することも多いわけですが、自己破産まで至った人は、どんな理由・原因だったのか。これも合わせて紹介します。

  • 生活苦・低所得…23.31%
  • 病気・医療費…7.83%
  • 失業・転職…7.64%
  • 給料の減少…6.23%
  • 事業資金…9.15%
  • 負債の返済(保証以外)…9.46%
  • 保証債務…7.33%
  • 第三者の借金の肩代わり…2.85%
  • 名義貸し…1.28%
  • 生活用品の購入…4.42%
  • 教育資金…3.01%
  • 住宅購入…4.73%
  • ギャンブル…1.91%
  • 浪費・遊興費…3.70%

(参考資料:日本弁護士連合会消費者問題対策委員会「2011年破産事件及び個人再生事件記録調査」)

見ての通り、ほとんどは「やむを得ない」理由です。「病気・医療費」などは生活費のようなものですし、失業なども「生活苦」に入るものでしょう。

明らかに生活苦に入らないものは―。

  • ギャンブル…1.91%
  • 浪費・遊興費…3.70%

くらいです。合わせて大体「5.7%」ですね。つまり「生活苦以外の原因で自己破産する人は、わずか5%程度」ということです。

ただ、「負債の返済」もこれに加えるべきかも知れません。というのは、「どんな理由によって、その負債ができたか」がわからないからです。

負債というと真面目な借金もあるので、すべてがショッピングなどの借り入れではないでしょう。しかし、大雑把に見て半分くらいはそうだといえます。

と考えると、約「4.7%」追加されるので、「10.4%」が、生活苦以外の理由で自己破産している、と推定できます。

ただ、これはあくまで推定に過ぎません。「負債の返済」はすべて真面目なものかも知れないからです。

自己破産の正確な理由は、実はわからない

何となく想像がつくとは思いますが、自己破産の理由を、すべての人が正直に言うとは限りません。当然ですが、借金がチャラになるように、真面目な理由を答えるに決まっているからです。

たとえば先の原因を見ると、「ギャンブル…1.91%」となっていますが、実際はもっと高いはず、という指摘もあります。。理由は―。

  • ギャンブルによる借金は、自己破産の免責の対象にならない
  • ギャンブルでお金がなくなったら、生活費がなくなるので「生活費」と言える

といえます。ちなみに「キャッシングする理由」と比較して、「破産の原因」の時の方が、ギャンブルの割合が低いと思った人もいるかも知れません。

  • キャッシングする理由…4.9%
  • 破産の理由・原因…1.91%

というように、数字が全然違うので、「ギャンブルが原因というのを、隠しているんじゃないか」ということですね。

ただ、これは「キャッシングする原因」の方は「遊興費」も含まれているからです。破産の原因の方は「浪費・遊興費」が「ギャンブルとは別」になっています。

もし合算すると、「5.61%」になるので、「借り入れをする理由」の「4.9%」より、むしろ増えています。つまり、ギャンブル・浪費のために借金する人は、その他の理由でお金を借りる人よりも、若干「破産の確率が高い」ということです。

「若干」で終わっているのは、人間が究極に破産するのは、「働けなくなった時」だからでしょう。体さえ健康であれば、ギャンブルなどで借金しても、何とかなる…ということです。

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