多重債務防止

消費者金融の問題点は「規制のやり方がおかしい」こと

消費者金融の問題点は規制のやり方が間違っていること。かつて問題点とされていたkとは、今ではほぼ解決されています。以前は下の3つの問題がサラ金三悪(サラ金の3K)と呼ばれていました。

  1. 高金利
  2. 過剰融資
  3. 過酷な取り立て

しかし、今ではそれぞれ、下のように解決されています。

  1. 高金利…金利引き下げによって、銀行並になった
  2. 過剰融資…「総量規制」によって、年収の3分の1までしか貸せなくなった
  3. 過酷な取り立て…大人しすぎるくらい、紳士的な取り立てになっている

ということです。反面、これらの改善をしたことで「別の問題点」も浮かんでいます。

  1. 金利引き下げ…「信用度が低い人」が借りられなくなった
  2. 総量規制…同じく「借りられない」人が増え、ヤミ金の利用者が増えた
  3. 取り立て規制…貸し倒れのコストが増え「まじめな利用者」にも害になった

ということです。それぞれ詳しく説明します。

目次

1.「金利引き下げ」の問題点

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1-1.低金利では「信用度が高い人」しか借りられない

実は、消費者金融というのは一種の「投資」です。投資の対象が、株券ではなく「人間」になっているということですね。

で、投資である以上、

  • ハイリスク・ハイリターン
  • ローリスク・ローリターン

のどちらかしかないのです。で、「低金利」というのは、「利息が小さい」ので「ローリターン」となります。

ローリターンである以上、リスクも「ロー」でなければいけません。つまり「融資する相手がローリスク」でないといけないのです。

では「ローリスクな借り手」とは誰か?言うまでもなく「信用度が高い人」です。

  • 公務員
  • 一流企業の社員
  • その他、高収入の人々
  • これまでの借入・返済の履歴がいい人

ということですね。「金利引き下げ」が起こると、業者はこういう人にしか貸せないわけです。

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1-2.貸金業法改正以後「借りられない」人が増えている

貸金業法は2006年~2010年に「4回」改正されました。この改正以後「お金が借りれない」人が増えています。

「だからどうした。借金に頼らないで生きるのはいいことじゃないか」という人がいるでしょう。確かに、それも一理あります。しかし、

  • 精神的に弱い人は、結局借金に頼ろうとする
  • しかし、彼らに対してもう「まともな業者」は貸さない(金利引き下げのせいで)
  • 彼らに融資するのは「ヤミ金」だけである
  • だから、ヤミ金の被害が増える

ということです。実際、貸金業法改正によってヤミ金の被害は確実に増えたんですね。日本経済新聞の2012年の報道をまとめると、下のようになります。

  • 2011年の1年間(完全改正後の1年間)で、
  • ヤミ金の利用者(個人)…1.3%増
  • ヤミ金の利用者(事業主)…7.7%増
  • クレジットカードの現金化(事業主)…4.1%増

ということです。個人での「1.3%増」も大きいですが、特に事業者の「7.7%増」「4.1%増」というデータの大きさに、問題があります。

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1-3.金利引き下げは「事業者」を直撃した

個人だったら、上に書いた通り「借りなければいいじゃん」という主張も成り立つのです。しかし自営業の場合、そうはいかないわけですね。

  • 急に大口の仕事が舞い込むことがある
  • しかし、材料費や人を雇うお金が、今手元にない
  • しかし、それで断ると仕事が来なくなる

ということです。「前金でもらえば?」という人がいるでしょうが、自営業の世界で、前金をもらえる仕事など、ほぼありません。(サラリーマンだって同じでしょう)

ということで、こういう場合は、

  • 借金してでも資金を集め、
  • 受注して、完成させ、
  • 数カ月後~半年後の入金を待つ

というのが普通なのです。これが「自営業の常識」なんですね。

サラリーマンの場合、こういう「資金繰り」をしたことがないので「借りなければいいじゃん」という暴論(自営業にとって)が成り立ちます。ましてサラリーマンではなく公務員である官僚の人々には、この現実がまったく見えていなかったのですね。

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1-4.金融への無理解を露呈した、議員の発言

貸金業法改正の議論の最中、ある議員がこういう発言をしました。

「金利を下げると、なぜ貸せなくなるのかわからない」

これは『理解されないビジネスモデル 消費者金融』という本の中で、プロミスの社長(当時)が紹介し、精一杯抑えた表現で「残念だった」と書かれていますが、まったくその通りです。

「金利を下げたら貸せなくなる」というのは、先に書いた「投資」の原理で、少しでも経済を理解していれば、すぐにわかることです。しかし、その「基本中の基本」が、あの議論の時の議員さんたちには、わかっていなかったんですね。

こんな「野球のルールも知らない相手と、野球の試合を始める」状態だったので、当の官僚の中でも「世紀の悪法になる」と批判が上がった、金利引き下げが決定したのです。(『弱者はなぜ救われないのか』)

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1-5.金利は「その人のリスクに応じて」決めるべき

消費者金融の金利についての問題点は「高い」ことではなく「一律に決められている」ことなのです。

  • 「一律に低金利」にされてしまった
  • だから「一部の人」にしか融資できない
  • 結果「借りられなくて」ヤミ金に走る人が増え、
  • 消費者金融も次々倒産し、経済も冷え込んだ

ということです。逆に「金利が自由」であれば、

  • 「リスクに応じて」金利を決められる
  • 信用がない人でも「やや高金利」という条件で、借りられる
  • 信用がある人は「さらに安い金利」でも借りられる
  • 確かに一部破産者は出るが、ヤミ金が跋扈するよりもマシ

ということです。「金利が自由だと、昔の高利貸のように、どこまでも高金利をつけるのでは?」と思う人もいるでしょう。

しかし、そこは「神の見えざる手」があります。つまり「市場原理」ですね。

  • 業者Aは、高金利である
  • 業者Bは、同じ条件の人に、より低利で貸している

となれば、当然みんな「B」で借りるでしょう。結果、業者Aは自然に淘汰され、金利は適正になるということです。

もちろん「最低限の監督」は必要ですが、基本的にはこのように「市場原理」に任せればうまくいくのです。一時期の消費者金融で破産者が急増したのは、

  • 「高金利」が悪いのではなく、
  • 「業者」が「長期的な利益」を考えなかった
  • 「消費者」が「お金に対して無知」だった

ということなのです。だから、

  • 業者…「適正規模」で「長く続く利益」を狙う
  • 消費者…金融教育によって、リテラシーを高める

ということが必要なのです。業者については、貸金業法改正で「袋叩き」と言ってもいいくらいの打撃を受けたので「持続的成長」がいかに大事かは、誰もが痛感したでしょう。

(大手の消費者金融の社長の方々も『理解されないビジネスモデル 消費者金融』の中で「我々ははしゃぎすぎた」と、自省されています)

そして消費者についても、日本人はお金のことを知らなすぎます。福沢諭吉が「金銭は独立の元なり。これを軽んずべからず」と言ったように、もっとお金のことを真剣に考え、話すべきなのです。

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2.「総量規制」の問題点

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2-1.導入時点で「5割~6割」の人が抵触

総量規制の導入が発表された「2006年」の時点で、実はすでに5割~6割の利用者が、年収の3分の1以上借りているという状態でした。つまり「すでに、半分以上の人がアウト」だったわけですね。

総量規制のルールは、

  • 発表(公布)…2006年
  • 施行(実行)…2010年

ということで、「一応、4年間の猶予」はありました。なので、この5割~6割の人が「全員すぐに貸し剥がしにあった」というわけではありません。

しかし、業者としては「2010年に向けて、全員3分の1以内に抑えないといけない」ということで、特に中小業者を中心に「貸し剥がし」も多く見られるました。

つまり「今貸している分の、一括返済を迫る」ということですね。もちろん一括返済した方が利息は小さくて済むのですが、余裕がない利用者にとって、数十万円~200万円程度の大金を一括返済するというのは、かなり大変なことです。

結局、このお金を用意するためにヤミ金で借りたり、クレジットカードなどの現金化業者を利用する…という人が増えたんですね。

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2-2.日本以外の国は、総量規制を採用していない

日本以外の先進国は、総量規制のルールを採用していません。そもそも日本でも「総量規制」という言葉が使われること自体、異例なのです。

もともと総量規制という言葉は「不動産用語」です。ポイントをまとめると、

  • バブル期に、不動産の価格が上がりすぎた
  • 銀行がこれ以上、不動産業者に融資すると、さらにバブルが加熱する
  • 銀行による融資を、規制しなければいけない

ということで、行われたのが「総量規制」です。「総量」とは何のことかというと、

  • 銀行の「年間の融資額」のうち、
  • 「不動産向けの融資」の伸び率(成長率)を、
  • 「全部の融資」の伸び率
  • …までに押さえなさい

というものです。簡単にいうと、

  • 「全体の融資」の伸び率が5%
  • しかし「不動産向け融資」だけ、伸び率30%
  • …というのは、どう考えても異常である
  • だから、抑制しろ

…ということですね。実際には「一部門だけ、少し多くなる」ということは問題ないのですが、この時期には「すでに不動産だけが、伸びすぎていた」ので、これでいい(と思われた)のです。

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2-3.Wikipediaにも「不動産の総量規制」しかない

「総量規制は本来、不動産用語である」ということは、Wikipediaで検索してみるとわかります。「総量規制」の項目は、完全に「不動産のことだけ」が書かれています。

一応「貸金業法改正」へのリンクも張られていますが、あくまで「総量規制」という単語は、この「不動産融資の抑制」のことだったのです。

つまり、海外でも日本でも貸金業に、本来「総量規制という発想」はないわけですね。確かに「これ以上貸したらヤバい」というラインは誰にでもありますが、それは、

  • 「個々の業者」が、
  • 「個々の利用者」に合わせて、

決めるべきものなのです。

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2-4.業者と利用者の「節度のなさ」が問題だった

私がいいたいことは、

  • 「貸金業」という業種自体が悪いのではない
  • 「総量規制」も、全ての人に一律のルールは必要ない
  • 「業者」「利用者」の両方に節度があれば、すべてはうまくいった

ということです。つまり、「車が悪い」のではなく「それを運転して事故る人間が悪い」ということです。包丁・睡眠薬・ロープ・お酒…などなど、何でも言えることです。

結局、どんなシステムでも道具でも「使う人間次第」なんですね。武田信玄の歌と言われる、「人は城、人は石垣、人は堀…」という言葉の通りです。「立派な城」よりも、必要なのは「立派な人」なのです。

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2-5.「自律的市場」を作ることが必要

「業者・利用者」の両方に節度があり、国の規制に頼らなくてもいい市場―。これを専門家は「自律的市場」と呼んでいます。最終的に、消費者金融が目指すべき領域はこれしかないのです。理由をまとめると、

  1. 利用者に節度がない限り、結局彼らは「どこかから」お金を借りる
  2. だから「金利引き下げ」も「総量規制」も意味がない
  3. むしろ、ヤミ金の利用者が増えることが、よくわかった
  4. だったら「まともな業者が、節度を持って融資する」方がいい

ということです。じゃあ、この「節度」をどうやって業者に守らせるのかというと、これがまた難しいのですが…。

確かなことは、一番稼いでいた頃の消費者金融のように利用者・社員の人格を無視したビジネスをしていると、結局最後は大打撃を受けるということです(実際受けました)。

そういう意味では、総量規制や金利引き下げにも、一定の効果はあったのかも知れません。これらの施策自体は問題があっても、長く続く稼ぎ方をしないと、結局大損するということを、消費者金融の各社(特に旧武富士など)に知らしめた、という点に意味があったのだといえます。

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3.「取り立て・督促」の問題点

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3-1.督促が大人しくなりすぎた

消費者金融の取り立て・督促というと「厳しい・怖い」というイメージがあるでしょう。確かに昔はそうでした。

しかし、貸金業法改正以後は取り立て行為の規制によって、逆に大人しくなりすぎているという状態です。

たとえば「10日までにお支払い下さい」という言葉も「指示する言葉だからダメ」で、「ご入金お願いいたします」としなければいけない…などですね。

そのようにソフトに督促していても、当然遅延する人々は払いません。こういうソフトな取り立てで払うような人だったら、最初から払っているのです。

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3-2.遅延するのは一部の不良利用者だけ

私も遅延しすぎてクレカの強制解約になった人間ですが、返済で遅延するのは、一部の悪質な利用者だけなのです。遅延といってももちろん「督促が必要なレベルの遅延」ということです。

(一日や数日だったら、誰でもうっかりミスでやってしまうものです)

つまり、

  • 督促が必要なくらい遅れる人は、ほとんどいない
  • それをやるような人は、根がかなりルーズである
  • そういう人に、優しい言葉で催促しても効果はない

ということですね。実際、取り立て行為の規制が強まった2006年頃、消費者金融の回収率は劇的に悪くなっています。(アイフルが無実の脅迫テープで叩かれていた頃です)

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3-3.延滞者が開き直る「モラルハザード」が起きた

この時期、キャッシング業界全体で見られた現象が「モラルハザード」です。「道徳の崩壊」ということですが、

  • 延滞者が、返済しないことに開き直る
  • 業者にクレームをつけまくって、業務を妨害する

ということが起きたんですね。少々厳しいことを言いますが、こういう人たちは「業者」よりも「真面目な利用者」にとって迷惑なのです。

  • これらの人に対応する人件費は、業者のコストに含まれている
  • 業者はそのコストを取り戻さなければいけない
  • だから、このコスト分、金利が高くなる

ということです。延滞者は自分が迷惑をかけているのは、業者だけであると思っているかも知れませんが、実は「9割を超える真面目な利用者」にも迷惑をかけているんですね。

もちろん「やむを得ずに延滞している方」もいます。そうした方については配慮が必要ですが、それでも「大部分の遅延者は、単純に生活がだらしないだけ」なのです。彼らに過剰に配慮せざるを得なくなった取り立て規制は、「真面目なキャッシングの利用者の人々」にとっても、マイナスだったのです。

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3-4.遅延者の態度が悪質なら、厳しい取り立ても許可すべき

私の提案としては、

  • 初期の督促電話の録音によって、
  • 「この遅延者は態度が悪質」と証明できれば、
  • 「その人に対しては、厳しい取り立てをしてもいい」
  • というルールにする

のがいいかと思います。誰にでも厳しい取り立てを許す…というのは、やはりよくありません。しかしハンムラビ法典の「目には目を」ではありませんが、「悪質な延滞者に対しては、厳しい態度で臨む」というのは、許可されていいはずです。

だから、録音などによって「それを証明できる」という条件で、取り立て規制を、一部緩和してもいいと思っています。

(あと、やはり最終的に「金融リテラシーの教育」が必要なことは、言うまでもありません)

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4.まとめ「消費者金融の問題点」

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4-1.「臨機応変でない」のが問題

消費者金融の問題点を一言でいうと「臨機応変でない」ということ。

  • 金利
  • 融資金額
  • 取り立て

これらのどの問題点にしても相手によって、一番いい形にするのが理想なのです。

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4-2.「信用情報の共有レベル」を上げる

で、その「臨機応変」を実現するにはどうしたらいいか―。多くの専門家が指摘するのは「信用情報の共有レベルを上げる」ということです。

  • 公共料金の支払いなど「あらゆる支払情報」を活用できるようにする
  • その分析をさらに高度にする「専門の機関」を創る
  • 利用者も、それをリアルタイムで確認できるようにする
  • ↑(自分のクレジットスコアが、今何点なのか見られるように)
  • そして、そのスコアによって借入先を比較できるサイト等を作る
  • ↑(あなたのスコアなら、100万円まで、15%で借りられます、というような)

これができると「その人の返済能力を、より的確に判断できる」ので、

  • 「金利」を上げても、
  • 「貸付金額」を増やしても、
  • 「返済不能」になることはない

ということです。少なくともこれで「金利」「総量規制」の矛盾はある程度まで解決できます。(もちろん、この態勢を整備するのが難しいのですが)

「金利・総量規制」の矛盾点が解決したら、貸し倒れ自体も少なくなるので「督促自体」も減ります。

督促に関しては「督促=悪」と思っている日本人がいまだに多いので、その誤解の解消が必要でしょう。この点『督促OL』のようなベストセラーが出ることは、非常にいいことだといえます。

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5.参考文献&サイト一覧

  • 日本経済新聞「ヤミ金利用が増加 法改正で「正規」の借金難しく」
  • http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF26002_Z20C12A2EE2000/
  • 2011年の日本貸金業協会による調査を、日経が紹介している
  • 増原義剛(2012)『「弱者」はなぜ救われないのか』きんざい
  • ある財務省の官僚が「これは世紀の悪法になる」と、貸金業法の改正を批判したことが書かれている
  • 藤沢久美・片野佐保・真水美佳・川島直子(2008)『理解されないビジネスモデル 消費者金融』時事通信出版局
  • 「我々は、はしゃぎすぎた」という、大手の消費者金融の社長の言葉などを参考
  • 杉浦宣彦・大槻奈那・伊藤亜紀・浅見淳(2013)『リテール金融のイノベーション』きんざい
  • 金利をその人のリスクに応じて決めるやり方「リスク・ベースド・プライシング」(RBP)を主張している
  • また、アメリカ・イギリスは上限金利を設定しなくても、このRBPによって貸金業界が機能していることが報告されている
  • Wikipedia『総量規制』
  • https://ja.wikipedia.org/wiki/総量規制
  • バブル期に政府によって行われた「不動産の総量規制」について、参考
  • 別冊宝島編集部(2009)『実録 取り立て!』宝島社
  • 悪質な滞納者に対して「ソフトな督促」をしていても回収できないことがよくわかる
  • 『甲陽軍鑑』品第三十九
  • 「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」の短歌が「信玄公の歌」として記録されている(真偽は不明)
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