教育費・学費でキャッシングするなら「教育一般貸付」で借りるのも1つの手です。教育一般貸付とは「国の教育ローン」のことで、ポイントをまとめると下の通りです。
- 奨学金よりは、高金利
- 銀行の教育ローンよりは、低金利
- 申し込みはいつでもOK
- ほとんどの人の年収だったら、借りられる
ということです。主なポイントをまとめると、下の通りです。
ポイント | 内容 |
---|---|
限度額 | 350万円 |
金利 | 2.05% |
返済期間 | 15年(最長) |
融資まで | 20日程度 |
申込時期 | 年中いつでも |
他と併用 | 奨学金と併用OK |
返済ルール | 在学中は、利息のみも可 |
年収制限 | 790~1190万円 |
目次
- 1.教育一般貸付のポイント・まとめ
- 1-1.限度額(融資枠)
- 1-2.金利(年率)
- 1-3.返済期間
- 1-4.融資までの期間・日数
- 1-5.申し込み時期
- 1-6.奨学金との併用
- 1-7.返済ルール
- 1-8.年収制限
- 2.奨学金・銀行の教育ローンの金利と比較
- 2-1.奨学金の金利(貸与利率)
- 2-2.奨学金の「増額部分」の金利について
- 2-3.銀行の教育ローンの金利一覧&比較
- 3.参考サイト一覧
1.教育一般貸付のポイント・まとめ
1-1.限度額
限度額のポイントは、下の通りです。
- 1人当たり、350万円以内
- 子供が複数いても、「全員350万円まで」OK
- 海外留学の場合「450万円」まで
- 一度に借りず「複数回に分ける」ことも可能
…ということです。
1-2.金利
金利のポイントは、下の通りです。
- 実質年率…2.05%
- 固定金利(金利情勢が変わっても、関係ない)
- 保証料…別に必要(詳しくは下で)
…というのが主なポイント。そして優遇金利もあります。下の条件に該当する家庭です。
- 母子家庭
- 父子家庭
- 世帯年収『200万円』以下
- 世帯所得『122万円』以下
という条件です。これらの家庭なら「1.65%」の優遇金利で借りられます。「年収」と「所得」の違いは―。
- 年収…単純に稼いだお金
- 所得…「課税対象」になったお金
…ということです。特に自営業の場合「年収と所得の差」は大きくなります(節税するからですね)。
保証料の計算
保証料は「融資額100万円」につき、大体「3万円~11万円」です。正確には下のようになっています。
返済期間 | 保証料 |
---|---|
5年 | 2万6035円 |
10年 | 5万1652円 |
15年 | 7万7686円 |
簡単に書くと、返済期間によって―。
- 5年…2万
- 10年…5万
- 15年…7万
と、どんどん保証料が増えていく…、ということです。当然ですが返済期間が長いほど、長く「保証人」を頼むわけなので、そのギャラということですね。
連帯保証人を頼めば、保証料は要らない
上に書いた保証料は「保証基金」という組織に保証人を頼んだ場合です(正確には「保証人」ではなく「機関保証」ですが)。
もし「親・親戚」などに連帯保証人を頼めるなら、保証料は必要ありません。そして、大部分の学生はこれは頼めるでしょうから、この点は特に問題ないでしょう。
1-3.返済期間
返済期間は、下のようになります。
- 15年以内
- 特別な条件の場合「18年以内」
で、特別な条件というのは「金利」で書いた「優遇金利の家庭」です。それに加えて「交通遺児家庭」も入ります。
上の「保証料」でも書きましたが、当然「返済期間は短い方が得」です。
1-4.融資までの期間・日数
融資までにかかる期間・日数は「20日程度」となっています。大体2週間~3週間ですね。流れは―。
- 申し込み~審査…約10日
- 契約(郵送でもOK)
- 契約~入金…約10日
という風です。中間の「契約」が郵送の場合、そのやり取りで数日かかる場合もあります。しかし速達だったら1日だけなので、ほぼ20日と考えていいでしょう。
1-5.申し込み時期
教育一般貸付は奨学金と違って「年中無休いつでも申し込むことが可能です。奨学金の申し込み時期(募集期間)は―。
- 春…4月~5月
- 秋…10月上旬
- 冬…12月上旬
となっています。うち、無利子で借りられる「第一種」は「春のみ」です。
奨学金は「進学した後荷、それぞれの大学・高専・高校などで申し込む」ので「学校によって正確な募集期間が違う」のがポイントです。
そのため、奨学金の公式サイトにも「詳細は、それぞれが進学した学校で確認してください」と書かれています。が、大体上のような時期だと思ってください。
(で、教育一般貸付はその「時期」が関係ない」ということです)
1-6.奨学金との併用
教育一般貸付は「奨学金との併用も可能」です。「奨学金と併用すると、限度額が小さくなるか?」という疑問があるでしょうが、これについては、公式サイトにも書かれていません。
書かれていないということは「おそらく、限度額は変わらない」のでしょう。あくまで「教育に必要な金額」という条件ですが、必要であればその全額を借りられるはずです。
奨学金の限度額は?
参考として奨学金の限度額も書くと、月額で
- 3万円
- 5万円
- 8万円
- 10万円
- 12万円
の5通りです(有利子の第二種奨学金の場合)。
無利子の「第一種奨学金」の場合は、条件によって下のように変わります。
- 国公立(自宅通学)…4万5000円
- 国公立(自宅外)…5万1000円
- 私立(自宅通学)…5万4000円
- 私立(自宅外)…6万4000円
という風です。無利子な分、借りられる金額は少ないということですね。これで足りないという人は、教育一般貸付を検討するといいでしょう。
1-7.返済ルール
返済のルールのポイントをまとめると―。
- 「毎月の返済額」は一定
- 在学中は「利息だけ支払う」もOK
- 余裕ができたら「繰り上げ返済」もOK
というものです。「毎月の返済額が一定」ということは―。
- 最初のうちは「大部分が利息」である
- つまり、あまり「元本が減っていない」
- 後半になるほど、元本が減っていく
ということです。逆に「毎月一定の元本を返済する」という方式だと―。
- 最初のうちは「元本+大きな利息」なので、大変
- 代わりに「元本がどんどん減っていく」
- だから、「早く楽になる」
となります。これと比較すると教育一般貸付は―。
- 最初の負担が小さい
- 代わりに「楽になる」のも遅い
- (「軽い負担」が長期間続く)
…ということです。もっとも卒業した後は、就職してもそれほど給料は高くないことを考えると、これが一番返済しやすいのは確かです。
(ただ「利息はその分増えている」ということは忘れないようにして下さい)
1-8.年収制限
親の年収制限は―。
- 子供(学生)の人数
- 親が「サラリーマン」か「事業者か」
によって、金額が変わります。一覧にすると、下の通りです。
人数 | 世帯年収 | 事業者 |
---|---|---|
1人 | 790万 | 590万 |
2人 | 890万 | 680万 |
3人 | 990万 | 770万 |
4人 | 1090万 | 860万 |
5人 | 1190万 | 960万 |
「事業者の方が、少ない収入でも、上限に引っかかる」という特徴があります。これは「事業者は『節税』のために収入を少なく申告しているが、実際にはもう少し自由に使えるお金がある」ということです。
ただ、どちらにしても「十分大きな金額」なので、制限に引っかかることは少ないでしょう。また、この年収制限に引っかかるくらい稼いでいるのに、子供の学費がないというのは、お金の使い方が間違っている…という可能性もあります。
2.奨学金・銀行の教育ローンの金利と比較
教育一般貸付の金利を、「奨学金」「銀行の教育ローン」と一覧で比較すると、下のようになります。
- 奨学金…0.1%~0.6%
- 教育一般貸付…2.3%
- 教育ローン…3%~4.5%
それぞれの数値は、時期によって多少前後します(金利は情勢によって変わるので)。しかし、大体このレベルと思ってください。
見ての通り、教育一般貸付の金利は奨学金よりは高く、銀行の教育ローンよりは低いといえます。以下、奨学金と銀行の教育ローンの金利を、詳しくまとめます。
- 2-1.奨学金の金利(貸与利率)
- 2-2.奨学金の「増額部分」の金利について
- 2-3.銀行の教育ローンの金利一覧&比較
2-1.奨学金の金利(貸与利率)
奨学金の金利は「2015年11月に終了した人」の場合、下の通りです。
- 「固定」方式…0.59%
- 「見直し」方式…0.10%
ということです。つまり「見直し」の方が5倍低金利ということですね。見直しというのは「変動金利」のことです。(経済情勢に合わせて変わる、ということですね)
変動金利だと値上がりが不安かも知れませんが、こと奨学金に関しては、「低金利時代」の現在の場合、「見直し」方式の方が断然安いです。
2-2.奨学金の「増額部分」の金利について
奨学金の金利を見ると「増額部分」という項目があります。これは―。
- 「普通の学生」は関係ない
- 普通は「基本月額」の金利だけ払えばいい
- 「増額部分」は「特殊な学部」「大学院生」のためのもの
- たとえば「医学部・歯学部」など
…ということです。先に書いた金利はもちろん「基本月額」のものです。
参考までに「増額部分」も金利を書いておくと―。
- 固定方式…0.79%
- 見直し…0.30%
…となります。「どちらも、基本月額より0.2%高い」金利になっています。
2-3.銀行の教育ローンの金利一覧&比較
まず、単純に金利だけを書きます(安い順)
- 三菱UFJ銀行…3.075%
- みずほ銀行…3.475%
- 三井住友銀行…3.475%
- りそな銀行…4.475%
条件は全部「変動タイプ」で、一部補足すると―。
- 三菱UFJ銀行…たまにキャンペーンで「2.75%」がある
- 三井住友銀行…これは「無担保」。有担保だと「2.975%」
…となります。
以上、奨学金と銀行の教育ローンの金利と合わせて、比較しました。冒頭の結論通り、教育一般貸付は―。
- 「奨学金」よりは「高金利」
- 「教育ローン」よりは「低金利」
というのがわかるでしょう。出来る限り低利のローンから借り入れしていくというのはキャッシング・融資の基本なので―。
- 奨学金
- 教育一般貸付
- 銀行の教育ローン
…という順番で借りるようにしてください。
3.参考サイト一覧
- 日本政策金融公庫「教育一般貸付」
- https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html
- 教育ローン比較・検討サイト「低金利な教育ローン」
- http://education-loan.basic-knowledge.com/l-interest.html
- 三井住友銀行などの教育ローンの金利一覧を参考
- 三菱UFJ銀行「教育ローン」
- http://www.bk.mufg.jp/kariru/kyouiku/
- 上のサイトでは「三菱UFJ銀行」の金利だけなかったため、公式サイトを参考
- はじめてキャッシング「日本政策金融公庫の教育一般貸付を借りる条件と金利」
- http://www.cash-learning.com/kyouiku-loan/639/
- カードローンの宣伝サイトだが、良質なサイト。要点のまとめとして参考
- 日本学生支援機構「利息付き奨学金の貸与利率」
- http://www.jasso.go.jp/taiyochu/riritu_jasso2.html
- 金利を参考。その他のページも、申込み時期などで参考