消費者金融の2社目、3社目からキャッシングする場合―。知っておくべきことは下の通りです。
- 2社目までは割と普通だが、3社目からかなり厳しくなる
- 4社目は基本的に無理(3件規制)
- 一般的に、「4社目になったら債務整理すべき」と言われている
ということです。
なぜ3社目から厳しくなるのか
これは、統計的に見て「3社以上借りる人は、返済不能になる可能性が高い」ということが、わかっているからです。もちろん、2社でも1社と比較すると高くなりますが、それでも「2社→3社」の時の上がり方に比べたら、まだ許容範囲ということです。
カードローン会社やクレジット業者としては、できるだけ多く融資したいと思っています。必ず返済してくれるという保証があれば、彼らはいくらでもお金を貸したいのです。貸せば貸すほど、彼らの利益は増えていくわけですからね。
しかし、統計的に、やはり3社目に達した人間は、返済不能になりやすいということがわかっている。それだけ危険なら、本当は融資したいけど、安全のためにやめておこう…と思うわけです。
社会的な意義もある
また、カードローン業者・消費者金融がこのような規制をするのは、社会的な意義もあります。当然ですが、キャッシング破産者を出さないというのは、この業界の重要な使命の一つだからです。
確かに金融業というのは、お金を回しているという点で、大きな社会貢献をしています。プロミスは福島の支援を東日本大震災以後、ずっと継続して行っています。
そうしたCSRも大事ですが、消費者金融にとって何より重要なミッションは「お金に困っている人に融資しつつも、その人たちを破産させない」ということなのです。
そうしたミッションをクリアするためにも、3件目の借り入れから、審査を厳しくするというのは重要なんですね。そして、さらに4件目に達した場合は、大抵審査落ちします。それが本人のためでもあるからです。
キャッシング審査の「3件規制」
この「4件目から審査に通らない」というのを、俗に「3件規制」と言われます。「同時に借り入れできるのは、3件まで」ということですね。
3件規制という言葉は、もともと消費者側が俗語のような感じで作ったものと言われています。そのため、それぞれの銀行カードローンや消費者金融などが正式に使っている言葉ではありません。ということで、別の意味にも使われます。たとえば―。
- 同時申込みは3件まで
- 連続での申し込みは3件まで
というような使い方ですね。「同時申込み・連続申込み」は、ひっくるめて「多重申し込み」というのですが、どちらの場合でも「多重申し込みは3件まで」という意味で使われることもあります。
ここで「3件」となっているのも、やはり「3件同時・連続に申し込む人は、破産の確率が高い」ということがわかっているからです。その人本人の破産率が高いというよりも、もっと少ない数字の人に比較して…ということですね。
一般生活の感覚に照らし合わせても、確かにこのような申し込みをする場合は「かなりトラブっている時」というのが、実感でわかるでしょう。
(2件連続ならまだ普通ですが、3件連続は明らかにおかしい、…ということです)
借り入れが4件目になったら、債務整理すべき?
基本的に、借入件数が4件になったら債務整理か、返済計画の再編のどちらかをすべきです。債務整理でなくても、少なくとも「返済計画の再編」はすべきでしょう。理由は―。
- 1ヶ所にまとめた方が低金利になる
- 正確な借入残高を把握しやすい
- 返済に必要な手間・手数料が減る(なくなる)
ということです。これは実際に自分で多数の業者に返済していて、実感しているのではないかと思います。
「1ヶ所にまとめた方が低金利になる」というのは、キャッシングの知識がない人だと知らないでしょうが、そのような知識がなくても―。
- 借入状況が正確にわかる
- 多重債務だと、それぞれの返済が大変
というのは、実感としてわかるかと思います。
そのため、仮に「3件規制」などのルールがなかったとしても、このような借入件数の場合は、「返済計画再編を支援する融資」か「債務整理」のどちらかを決断すべきなのです。
(決断などと書くと、少々大げさかも知れませんが…)
返済計画再編を支援する融資と債務整理の違いは?
違いをカンタンに書くと―。
- 返済計画再編を支援する融資…ただ借金をまとめるだけ
- 債務整理…借金や利息を減額できる
ということです。債務整理はたとえば―。
- 利息…これからかかる分の利息をゼロにできる
- 元金…そもそも、借りた元金すら、一部返済しなくてよくなる
という風に、大幅に借入状況を改善できるものです(業者にとっては改悪かも知れませんが…)
特に元本を減らしてもらうというのは、本来かなり難しいです。しかし、「この人は、もう明らかに返済するお金がない」と業者・銀行が判断した場合、「ゼロになって自己破産されるよりはマシ」と、元本の減額が許可されることもあります。
たとえば個人再生という債務整理の方法だと、多ければ「5分の1」まで減額してもらうことも可能。ということで「返済計画を再編するだけでは、もう返済は無理」という場面では、積極的に債務整理を利用するようにしましょう。
以上、債務整理など少々ヘビーな話にもなりましたが、借入件数が3件目に達しているというのは、そういう状況だということです。まず、その自覚を持つようにしてください。
(余談ですが、私は以前、クレジットカードも含めると最高で5件の借り入れがありました。総額は130万円でした。笑)