私達が通常使う、プロミス・SMBCモビット・アコムなどの一般的なカードローンブランドの場合、保証人は不要です。もちろん、不動産などの担保も必要ありません。
消費者金融だけでなく、銀行カードローンでお金を借りる場合もそうです。これについて、知るべきポイントをまとめると―。
- 保証人を頼まれたら、基本的に断る
- 特に連帯保証人・根保証の契約は結んではいけない
ということです。
現代は、保証人なしでお金を借りるのがカンタンな時代
現代は、昔と違って「保証人なし」でお金を借りるのはカンタンになっています。理由は―。
- 個人信用情報の管理が徹底した
- これで、その人のクレジットスコアを正確に測れるようになった
- 長年の統計により、そのスコアでの破産確率も、正確にわかるように
- 借りられる人、借りられない人が、はっきり分かれるようになった
ということです。つまり、今までは「その人が信用できるかどうか」が曖昧だったので、保証人などで「保険」をかけたわけです。しかし、現代では「申し込み者の信用度がハッキリわかる」ので、「保証人などつけなくてもいい」わけですね。
保証人をつけても、大手では借りられない
逆に、大手の消費者金融などの場合は「保証人をつけても、クレジットスコアが低い人は借りられない」時代になったわけです。確かに保証人がつけば多少信用度は高まります。しかし―。
- 審査の作業が複雑になる
- その後の顧客情報の管理も複雑になる
- 保証人もグルになった、反社会勢力かも知れない
という理由から、大手の消費者金融にとって―。
- 信用度(クレジットスコア)が低い人が
- 保証人によって借りようとする
というのは、デメリットが大きいわけです(メリットもありますが)。
ということで、現代は「保証人が不要になった」代わりに「保証人をつけても、お金を借りることがカンタンではなくなった」ということなのです。
(情報化された時代、ということですね)
なぜ保証人が必要なのか、とことん追及する
こういう「保証人なし」でキャッシングできるのが当たり前の時代で、なぜわざわざ自分に連帯保証人・根保証などを頼むのか―。まずはその辺を根掘り葉掘り聞きましょう。
日本人は優しい人が多いので、こうやって友達を疑うことを悪だと思うようですが、「保証人を頼んできた時点で、以前の友達とは、もう別人である」と思った方がいいです。
大人になるということは結構残酷な部分もあり、30才くらいを超えたあたりから、昔の友だちが結構変わってしまうものなのです。特にお金に困った時は、人間はかなり変わってしまうものです。
「貧すれば鈍する」ということわざの通りです。「人貧しければ智短し」とか「衣食足りて礼節を知る」とも言いますが、とにかくお金に困って保証人を頼みに来るような友達の場合「変わってしまった可能性がある」と用心して話を聞くのが鉄則です。
自己破産者の4分の1が「他人の保証人になった」のが原因
日本弁護士連合会が2008年に行った調査では、「自己破産した債務者の25%が、他人の借金の肩代わりをしたり、保証人になったのが原因」とのこと。
全部が保証人というわけではなく「肩代わり」も含みますが、要は「自分の借金ではない」ということ。
それが友情とか親子愛・家族愛として、美しく映る場面もあるでしょう。しかし、それは肩代わりした瞬間だけで、その後には、そうした人たちの「4分の1が破産する」という運命が待っているのです。
(統計によってそうなっているのだから、この運命は、4分の1の確率で訪れるのです)
このようなデータもあるので、友達や家族が、「キャッシングの保証人になってほしい」と頼んできたら、相当しっかり追及しないといけないんですね。
- どういう業者から借りるのか
- いくら借りるのか
- どうやって返済するのか
- 今、どんな仕事をしているのか
- 健康状態はどうか
- 本当にこれが借金のすべてと証明できるか
- そもそも、何でお金がなくなったのか
- 何で、自分のところにきたのか
…ということを、とことん問い詰めるべきなのです。「正直者な友達を、そこまで追い詰めたくない」などという人もいるかも知れませんが、現代では、正直者はそんなに馬鹿を見ません。普通に真面目に生きていれば、そうそう借金は背負わないものです。
それでもどうしても「助けてあげたい」というなら、先に書いた「保証人・肩代わり」を受け持った人間の25%が破産する、という確率をよく覚えておきましょう。「それでもいい」というなら、その友情や家族愛は確かなので、引き受けていいと思います。
(逆にこのデータを知らずに「騙された!」というのは、残念ながらその人の無知という見方も、できなくはありません)
12才の時のような友達は、もう二度とできない
映画や文学が好きな人なら、この名セリフはよく知っているでしょう。映画『スタンド・バイ・ミー』の冒頭で流れるセリフです。
友達の保証人になって自分が破産してしまう人というのは、昔の友だちの面影をまだ信じているのでしょう。実際、昔は本当にいい友だちだったのだろうと思います。
しかし、先にも書いた通り「人間は変わってしまう」ものなのです。変わらない人もいますが、それは「泥沼の中に咲く花」のようなもので、ほとんどの人が変わってしまうからこそ、そういう変わらない人が美しいわけです。
…とポエムのような内容になりましたが、「他人の借金の保証人になった債務者の、4分の1が破産」という事務的なデータの裏には、いろいろな人間模様があるわけですね。
とにかく、そのように友情は永遠ではなく、永遠でないからこそ美しいものなので、友達が連帯保証人を頼んできたら、基本的に断るようにしてください。