ソニー銀行カードローンは、返済計画再編を支援する融資としての利用も可能です。楽天銀行やみずほ銀行ほど大口利用に積極的…というわけではありませんが、それでも一本化自体は問題なくできます。
特に「返済計画の再編によって低金利にしたい」という人の場合、ソニー銀行はおすすめといえます。もともとの金利自体が主要な銀行カードローンの中で一番安いので、他の銀行カードローンでまとめた時よりも、低金利になりやすいからです。
銀行の返済計画再編を支援する融資では、通常のキャッシングの金利が適用される
実は、ほとんどの銀行カードローンは「返済計画再編を支援する融資」という専用コースを持っていません。例外は新生銀行・東京スター銀行くらいです。
というわけで、銀行で借り入れを再編する時は、通常のキャッシングをそのまま返済計画再編を支援する融資として使います。なので、普通のキャッシングの金利がそのまま「返済計画再編を支援する融資の金利」となるわけですね。
ソニー銀行の金利は、一番低い
で、そうして普通のキャッシングの金利を比較すると、主要な銀行カードローンの中でソニー銀行の金利はダントツで安くなっています。
「返済計画再編を支援する融資」の歴史
返済計画再編を支援する融資は今のキャッシング業界でこそ完全に普通となっていますが、これを大々的に普及させた業者の1つが「アイフル」だと言われています。
アイフルは1997年頃から2000年代序盤にかけて、大手の消費者金融の中で4位から1位までかけ上がるという急上昇を見せましたが、その躍進の原動力になったのが「不動産担保型返済計画再編を支援する融資」だったのです。
- 不動産を担保にするので、平均1000万円の高額融資ができる
- 金利は当然、バラバラの多重債務よりも大幅に安くなる
…ということで、多くの多重債務者の方々に、アイフルの返済計画再編を支援する融資は歓迎されました。
ただ、当時商工ローンなど一部のキャッシング業者の間で「強引な取り立て」があったことで、消費者金融全般に対するイメージが悪くなっていたため、このアイフルの返済計画再編を支援する融資に対しても、世間の厳しい目が注がれるようになります。
- 最初から、返済できないような多重債務者に融資している
- 返済できなくなるのをわかっていて、土地や住宅を取り上げるための担保を設定している
…という批判が高まったのです。しかし、これについては―。
- すべての借り入れの金利が下がるのだから、多重債務者はむしろ助かるようになる
- もしアイフルが融資しないのだったら、当時の彼らはどこでも返済計画の再編をすることができなかった
- そもそも、アイフルだって別に不動産を取り上げたくはない
…と指摘できます。最後の点については『アイフル元社員の激白本』『サラ金トップセールスマン物語』などの著書で知られる笠虎崇氏の著書を読んでもわかります。アイフルのトップ営業マンとして働いていた笠虎氏の証言によれば―。
- 不動産は換金しにくい
- だから、アイフルは別に不動産を取り上げたくはなかった
- むしろ、安定して利息を順調に払ってくれる方がよかった
…とのことです。実際その通りでしょう。利息というのは消費者金融にとって一種の「不労所得」のようなものです。しかし不動産の場合、その売買のために多くの手間と時間をかける必要があります。そうして比較すれば、笠虎氏が指摘する通り「利息を安定して最後まで払ってくれた方がいい」のは確かなのです。
実際、不動産の担保ローンだったら、もともと銀行の方が有利なのです(取り扱ってきた実績が豊富ですから)。しかし、その銀行が不振だった時代にアイフル・アコム・プロミスなどの消費者金融が躍進したのは「不動産に頼らない無担保ローンを貫いた」からなんですね。
ということで、返済計画再編を支援する融資が隆盛するきっかけを作ったアイフルの当時の歴史に関しては、批判的な見方がいまだに強いですが、それは間違いであるということを指摘しておきます。
返済計画再編を支援する融資に関する問題点 ~日弁連の指摘~
上に書いたように、アイフルの不動産担保の返済計画再編を支援する融資については、世間の誤解が大きいです。しかし、「では、返済計画再編を支援する融資には全く問題がないのか」というと、確かに一部問題があるというのは事実です。
これについては、2010年5月21日に日本弁護士連合会(日弁連)が政府に提出した意見書「改正貸金業法に関する内閣府令の改正(案)」に対する意見書でも指摘されています。
(参考URL…http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/100521_2.pdf)
内容を要約すると、下の通りです。
- 返済計画再編を支援する融資を必要とする人間は、すでに「返済能力を超える金額」を借りている
- ということは、返済計画を再編した時点で返済できない場合が多い
- 彼らに必要なのは、「債務整理」である
…ということです。要は返済計画の再編をした所で、別に総額が減るわけではないから、むしろ債務整理で借入総額を減らしたほうがいいということですね。実際、これは的を射ています。
前述の『サラ金トップセールスマン物語』(笠虎崇/2005年/花伝社)でも、ラストのエピローグで「僕が融資した人たちのその後」というストーリーがあります。
基本的にほとんどの人は返済ができなくなり―。
- 主人公の会社より、もっと高金利な業者で借り換える
- 債務整理をする(自己破産を含む。不動産は取られる)
…というどちらかのパターンになっています。後者の「不動産は取られる」というのを見ると、「やっぱり、アイフルは不動産を収奪して儲けていたんじゃないか」と思うかも知れませんが、「その不動産が売れなくて困る」というエピローグも一緒に書かれています。回収したらしたで、アイフルの方も大変だったのです。
…と、少し話題が逸れましたが、確かに日弁連の指摘通り「返済計画再編を支援する融資を利用しても、結局債務整理するはめになった」ということは多いんですね。
「どうせ最終的に債務整理するしかないから、返済計画再編を支援する融資より先に、債務整理を検討した方がいい」という指摘は、確かに正しいといえます。
あくまで軽度の多重債務のみ、返済計画再編を支援する融資を利用する
結局返済計画再編を支援する融資というのは「キャッシング総額がまだ小さい人のためのもの」ということですね。自分の年収に匹敵するような借入超過状態になってしまった人の場合、もう返済計画再編を支援する融資で返済計画を再編する…というレベルではないのです。
ということで、そうなったら確かに日弁連の指摘通り―。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
などの債務整理をするべきでしょう。もっとも、「それによって弁護士・司法書士の仕事が増えるから、日弁連がそう主張する」という考え方も、でkることはできますが…。
(目的がなんであれ、確かに彼らの言うとおり債務整理した方がいいのは確かなので、主張は正しいといえます)