横浜銀行カードローンは「返済計画再編を支援する融資」として利用することもできます。銀行カードローンはすべて「総量規制の対象外」なので、大口利用専用のコースでなくても、3分の1以上借りて、返済計画の再編に活用することができるんですね。
目次
消費者金融より低金利なので、金利を安くする効果もある
横浜銀行カードローンの金利は、銀行カードローンの標準レベルです。ということで、「銀行の借り入れを再編する」という場合には特に金利が下がることはありませんが、「消費者金融の借り入れをまとめる」という場合には、確実に低金利になります。
ということで、現時点でプロミス・アコム・アイフル・SMBCモビットなどの消費者金融から多重借り入れをしている人は、横浜銀行カードローンで返済計画を再編するメリットは大きいでしょう。
逆に、銀行カードローンで借りている場合は、横浜銀行より高い金利の銀行カードローンの借り換えでなければ、特に意味はありません。(それらの銀行カードローンからの借入先の変更は、非常におすすめです)
横浜銀行より高金利な銀行カードローンとは?
一覧にすると、下の銀行カードローンは、普通の借入金額だと横浜銀行より高金利です。
ジャパンネット銀行「ネットキャッシング」 | 18.0%(実質年率) |
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オリックス銀行カードローン | 17.8%(実質年率) |
じぶん銀行カードローン「じぶんローン」 | 17.5%(実質年率) |
キャッシングの知識がある人だったらすぐわかるでしょうが、これらの金利は消費者金融と同じレベルです。プロミスの金利は「17.8%」なので、ジャパンネット銀行に至ってはプロミスより高金利ということです。
これら3つの銀行は上限金利が高い代わりに下限金利は安いので、全体的に高金利、というわけではありません。しかし、とりあえず普通の少額のキャッシングの場合は、たとえ多重債務だったとしても、これらの銀行カードローンは高いです。(大体200万円あたりまで。そこから先は低金利になっていきます)
ということで、これら3つの銀行のキャッシングから借り換えするのであれば、横浜銀行のカードローンは非常に低利息になる…と言えるでしょう。
1.9%~14.6%千
返済期間が長くならないように注意
ただ、これは横浜銀行に限らず返済計画再編を支援する融資全般でいえることですが、1つ注意点があります。それは「返済期間が、以前よりも長くならないようにする」ということ。理由は当然「返済期間が長くなるほど、利息総額が増える」からです。
なぜ返済計画再編を支援する融資によって、返済期間が延びるのか?
これは「返済計画の見直し」をするからです。リスケジュールというやつですね。今までどおり普通に返済していたら、当初の返済回数で進んでいくのですが、返済計画の再編をしたことによって、それがリセットされたということです。
もちろん、リセットされれば絶対に返済期間が長くなる…というわけではありません。しかし、長くなることは多いです。理由は―。
- その方が、月々の返済金額が安くなる
- 「返済計画再編を支援する融資を利用してよかった」と利用者に思ってもらえる
…ということです。「見た目のいい野菜だけ、農家が出荷する」というのと同じですね。本当は栄養価の高い野菜は形がナチュラルでいびつなのですが、実際には見た目のいいものを消費者は好むのです。
ということで、利用者に満足してもらうために、どの銀行カードローンで一本化をする場合も、返済期間を長くリスケジュールする…ということが多いんですね。それによって、トータルの利子総額が増える…というパターンが多いのです。
横浜銀行カードローンで返済計画を再編した場合の返済期間がどうなるかはわかりませんが、一応こういう注意点・危険性もある…ということは、返済計画の再編をする前に知っておいてください。
以上、横浜銀行の返済計画再編を支援する融資についてまとめました。ここから先は、返済計画再編を支援する融資全般に関するコラムを書きます。(より深いキャッシングの知識が欲しい方は、読んで見てください)
「返済計画再編を支援する融資」が一部で問題視されるようになった理由
2000年代中盤の「消費者金融バッシング」をよく見ていた人は「返済計画再編を支援する融資」という言葉に対して、あまりいいイメージを持っていないかも知れません。
というのは、当時最も集中的に叩かれていたアイフルの躍進の原動力が「不動産担保の返済計画再編を支援する融資」だったからです。
- 他社の借り入れを、アイフルで返済計画を再編する
- その担保として、自宅や土地などの不動産を預かる
…というものですね。これは平均の融資金額が「1000万円」というものですが、そもそもこのくらい借り入れしている時点でもう「借入超過の多重債務者」だったので、返済できない人が大量にあふれたわけです。
で、そうなればアイフルとしては不動産を回収するしかないので、「自宅を取られた」という人の声が、当時非常に多く見られたわけですね。これが当時の「サラ金バッシング」とセットになって「返済計画再編を支援する融資=自宅を取り上げるための悪質な融資手段」というイメージが一部で間違って定着してしまったわけです。
利用者の金融リテラシーが低かったのが一番の原因
しかし、この問題に関しては当時の資料を多数チェックする限り「利用者の金融リテラシーが低かった」ということが一番の原因のように感じます。たとえば、返済計画再編を支援する融資を組むときに―。
- 現時点の借入総額…500万円
- 大口利用した後の総額…600万円
…となっても、喜んで借り入れしていく人が非常に多かったのです。
- 返済計画を再編できて
- 金利も安くなったからそれでいい
…ということですね。しかし、上にも書いた通り借入総額は100万円増えてしまっているので、本当は喜んでいる場合ではないのです。
なぜ借入総額が増えるのか?
これは、不動産担保の返済計画再編を支援する融資の場合「登記の手数料」がかかるため。これだけで、たとえば500万円の融資だったら、大体60万円ほどの手数料がかかるのです。
で、それを本人が貯金から払えたらいいのですが、当然そんなお金は持っていないので、その分も融資するということなんですね。
で、大抵上の60万円のように「端数」になるので、「きりよく40万円追加」というようにして、100万円…となるわけです。
(この融資の例は、アイフルの元トップセールスマンだった笠虎崇氏の著書『金融屋』に書かれているものです)
…というように「返済計画再編を支援する融資によって、実は借金総額が増える」ということが、特に不動産担保の返済計画再編を支援する融資の場合は多かったのです。しかし、多くの利用者が目先のお金を借りることに精一杯で、それに気づかなかった。
もちろん、消費者金融はしっかり説明しています。説明を聞いても「とにかく今のピンチをなんとかしたい」ということしか、当時の多重債務者は考えられなくなっていたんですね。
というわけで、2000年代の不動産担保の返済計画再編を支援する融資では、「結局返済できずに債務整理・自己破産する」というパターンが相次いだのです。このことから、原因をよくしらない人の間では「返済計画再編を支援する融資=悪質な融資手段」というイメージが、一部定着してしまったんですね。
一本化をすればゴール…ではないことをよく自覚する
笠虎氏の著書では、返済計画の再編に成功した利用者が晴れ晴れした顔で安心している…という姿がよく見られたようです。確かに一本化しないよりはした方がいいので、それが成功したというのは良いことでしょう。
しかしそこから先、まだ返済していかなければいけない、という当たり前のことを、しばしば利用者たちは忘れているんですね。人間は一定以上続くストレスには耐えられないので、ストレスの原因になることを、考えるのをやめてしまうのです。
ということで「返済計画を再編したから安心」とばかりに、「自分へのご褒美」などといって、また高額な出費(=浪費)をしてしまったりします。
2000年代当時だけでなく、これは現在でもですが「返済計画再編を支援する融資を利用する時点で自分の経済状況・金銭感覚が相当まずいレベルにある」という危機感を持つ必要があるのです。
ということで、横浜銀行の 返済計画再編を支援する融資で返済計画の再編をする場合も、それでゴールというわけではないので、気を引き締めてその後の返済に臨んでいってください。
銀行カードローンも総量規制の対象にしよう、という声は強い
序盤に書いた通り、銀行カードローンは横浜銀行に限らず、どこでも総量規制の対象外です。つまり「いくら借りてもいい」わけですね。また、個人信用情報でもその借入総額は共有されていません。
で、これについては「借りる側」にとっては便利ですが、当然「新たな破産者」を出す原因にもなります。多くの専門家が指摘するのは、そもそも、普通のサラリーマンが破産に至る一番の原因は住宅ローンであると指摘しています。
もちろん、住宅ローンには多くのメリットがあるので一概に否定することはできませんが、それでも「銀行の融資だけが規制されずに特別扱いされている」という状態は、問題もあるわけですね。
そのため、日弁連(日本弁護士連合会)なども、銀行の貸金業に規制をもうけるべき…という意見書を国会に提出しています。最近初めて提出したわけではなく、もう90年代からずっと提出しています。
ということで、将来的には銀行カードローンを管理する銀行法にも「総量規制」のようなルールは生まれるかも知れません。そうなったら、今の消費者金融と同じように「貸金業法に基づく」ではなく「銀行法に基づく返済計画再編を支援する融資」という、専用の商品が登場することでしょう。