カードローンの乗り換えをする時、下のような業者は選んではいけません。
- 金利が高すぎる・低すぎる
- 返済期間が長くなる
それぞれの理由を書くと下の通りです。
- 高いのは当然だめ。低すぎるのは詐欺の可能性がある
- 返済期間が長くなると、低金利でも利子総額が増える
目次
- 1.金利が高すぎる・低すぎるローンはNG
- └ 1-1.宣伝が派手で、よくみたら高金利なカードローン
- └ 1-2.「低金利」で宣伝をかける「貸します詐欺」
- └ 1-3.自らは融資しない「紹介屋」にも注意
- 2.返済期間が長くなるカードローンもダメ
- └ 2-1.低金利でも、利息総額が多くなる
- └ 2-2.消費者金融と銀行で返済シミュレーション
- └ 2-3.多少苦しくても毎月の返済額を増やした方がいい
- 3.では、どんなカードローンがいいのか?
- └ 3-1.乗り換えに積極的なカードローン
- └ 3-2.消費者金融でも借り換えはできる?
- └ 3-3.消費者金融が「専用コース」を設ける理由
- └ 3-4.借り換えで「総量規制」を超える理由
1.金利が高すぎる・低すぎるローンはNG
1-1.宣伝が派手で、よく見たら高金利なカードローン
これはカードローンの宣伝だけではありませんが、宣伝では安そうに見えるのに、実際は全然安くないというのはよくあること。たとえば90年代に起きた小さい事件ですが、スーパーの特売で「3割引!」と書いていながら、実は「いつもと同じ値段だった」ということがありました。
(『ナニワ金融道』作者、青木雄二氏の著作に書かれています)
で、カードローンの宣伝でもこれは日常茶飯事なんですね。たとえば「業界ナンバーワンの最低金利」とよく宣伝される、オリックス銀行カードローンなどもそうです。
「下限金利」は確かに業界最安レベルだが…
オリックス銀行カードローンは、確かに「下限金利」だったら、銀行カードローンの中でも最安レベルなのです。
実際その通りなのですが、こと「上限金利」に関しては違います。こちらは「17.8%」ということで、プロミスと同じ金利なのです。
そして、多くの人のキャッシングで適用されるのは「上限金利」の方です。上限金利は「100万円以下の借り入れ」の時の適用金利だからですね。
ということで、オリックス銀行カードローンの宣伝の「業界最安レベル」というのは「確かにそうだけど、よく調べないといけない」ものなのです。
信用できる金融機関である、オリックス銀行の商品ですら、このように複雑にできています。まして、名前も知らない業者のカードローンが「超低金利!」などと宣伝していたら「実際に計算して確かめる」ことが大事です。
1-2.「低金利」で宣伝をかける「貸します詐欺」
貸します詐欺というのは、下のような手口です。
- 「100万円まで2%で融資!」などの破格の条件で宣伝する
- それで利用者を集める
- しかし「お客さんの条件では、2%では融資できません」などと言う
- そして、結局高利で貸し出す
…というものです。この「高利」というのは、「法定金利の範囲内」のこともあれば「それ以上の暴利」のこともあります。ただ、どちらにしても低金利で宣伝をかけている無名業者は、「貸します詐欺」の可能性が高いということです。
「金利が低過ぎても危ない」というのは、こういうことなんですね。
1-3.自らは融資しない「紹介屋」にも注意
上の「貸します詐欺」は「当初の金利とは違うけど、一応自ら融資する」わけです。しかし「自らは融資しない、紹介屋」という詐欺業者もいます。
紹介屋の手口をまとめると―。
- 低金利の宣伝で利用者を集める
- しかし、「お客さんの条件では、うちでは融資できない」と言う
- 「ここなら貸してくれるかも」と、ヤミ金を紹介する
というやり方です。このやり方のメリット(彼らにとって)は―。
- 紹介屋自身は「悪いこと」は何もしていない
- だから「正規業者」として、堂々と営業できる
- 普通ならヤミ金に手を出さないような人も、誘導できる
…ということです。もっとも「悪いことはしていない」といっても、間違いなく悪意のある行為なので、最近では紹介屋も処罰の対象となっています。
何はともあれ、紹介屋もやはり、低金利のカードローンをうたっています。そもそも、資金力の劣る中小業者が、大手より低金利で融資できるわけがないのです。
そのようなおいしい話はない、高い利息でも、コツコツ大手で返済していくしかない…、という当たり前のことを、再認識してください。
2.返済期間が長くなるカードローンもダメ
- 2-1.低金利でも、利息総額が多くなる
- 2-2.消費者金融と銀行で返済シミュレーション
- 2-3.多少苦しくても毎月の返済額を増やした方がいい
2-1.低金利でも、利息総額が多くなる
カードローンというのは、どれだけ低金利でも返済期間が長いと、利子総額が多くなるようにできています。当たり前ですが、この威力は絶大です。実際に―。
- 「消費者金融」で「短期間」で返済する
- 「銀行カードローン」で「長期間」で返済する
2-2.消費者金融と銀行で返済シミュレーション
シミュレーションの条件は―。
- 「100万円」を借りる
- 消費者金融…「年率18%」「1年で完済」
- 銀行カードローン…「年率15%」「2年で完済」
とします。この場合、それぞれの利子総額は―。
- 消費者金融…10万153円
- 銀行カードローン…16万3668円
となります。つまり低金利な銀行カードローンの方が「6万3000円」利息が多くなるわけですね。
2-3.多少苦しくても毎月の返済額を増やした方がいい
もちろん、上のシミュレーションは決して「消費者金融の方が楽」という意味ではありません。「高金利な方」で、短期間で返済しているわけですから、当然「1ヶ月当たりの負担」は大きくなるわけです。
(短距離走と長距離走の違いですね)
月々の返済額はそれぞれ―。
- 消費者金融…91679円
- 銀行カードローン…48486円
となっています。返済期間が半分なので当たり前ですが、消費者金融の方が「毎月の返済額が2倍になっている」ということですね。
ハードではありますが、こうやって「一気に返済」すると、結果的に利子総額が小さくなり、得なのです。「先憂後楽」という四字熟語の通りですね。
3.では、どんなカードローンがいいのか?
- 3-1.乗り換えに積極的なカードローン
- 3-2.具体的に申し込みやすい銀行カードローンは?
- 3-3.消費者金融でも借り換えはできる?
- 3-4.消費者金融が「専用コース」を設ける理由
- 3-5.借り換えで「総量規制」を超える理由
3-1.乗り換えに積極的なカードローン
当然ですが、乗り換えをする時にも、審査に落ちるよりは審査に通った方がいいわけです(というより、通らないと何もできません)。
で、乗り換えの時に「審査に申し込みやすい」ということを考えると借入先の変更歓迎と、強くアピールしているカードローンがいいわけですね。
たとえば銀行カードローンの公式サイトを見ると「大口利用・借入先の変更OK」ということが、大きく書かれている銀行もあれば、書いていない銀行もあります。乗り換えで審査に申し込みやすいのは、言うまでもなく「大きく書いている方」です。
3-2.消費者金融でも借り換えはできる?
銀行カードローンの方が借り換えはしやすいのですが、消費者金融でもできます。消費者金融の場合、大手では下の業者・ブランドが、借入先の変更に使えるローンを提供しています。
- プロミス…おまとめローン
- アコム…借換え専用ローン
- アイフル…かりかえMAX
- ノーローン…かりかエール
…という風です。プロミスは「返済計画再編を支援する融資」となっていますが、これで乗り換えをしても構いません。逆にアコムは「借換え専用ローン」となっていますが、返済計画再編を支援する融資としても使えます。
3-3.消費者金融が「専用コース」を設ける理由
銀行カードローンと違って、なぜ消費者金融はこのように、借り換えや大口利用に関して「専用コース」を設けるのか。理由をまとめると―。
- 消費者金融は「総量規制」のルールがある
- 「年収の3分の1以上の融資」ができない
- 借り換える時は、一時的に「総量規制を超えた融資」が必要
- だから、それ専用のコースを作り、認可を受ける必要がある
ということです。「なぜ、一時的に総量規制を超える必要があるのか」と思うでしょう。それを説明します。
3-4.借り換えで「総量規制」を超える理由
これは実際に借り換えるところをシミュレーションするとわかります。あなたが「アコム」から借りているとしましょう。(わかりやすく擬人化します)
- あなた「アコムさん、私プロミスに乗り換えたいんです」
- アコム「どうぞ。でも、うちの分は当然返済してください」
- あなた「今、100万円借りてますよね」
- アコム「はい」
- あなた「でも、100万円の貯金はないんです」
- アコム「そうでしょうね」
- あなた「どこかから、借りるしかないですかね」
- アコム「ええ。でも、Aさんはもう『3分の1まで』借りているから、無理ですよ」
…ということです。つまり、このAさんは「貯金があれば」よかったのですが、「ない」ので「総量規制を超えて、新たに借り入れをする必要があるのです。
で、この借り入れは決して悪いものではありません。というのは「こうして借り換えた方が、破産のリスクが下がる」からです。これは国にとっても「良い借り入れ」なんですね。
そのため、国はこのような借り入れに対して「総量規制の例外」として「一時的に、年収の3分の1以上借りてもいい」としているのです。
ただし、当然ですがあくまで「一時的」です。借り換えが済んだらすぐに、戻さなくてはいけません。(実際そうしないと、借金総額が倍になるわけですから、困るのは自分です)
…というように、大手の消費者金融でも「借り換えのためのカードローン」は用意しているので、これらを利用するのもいいでしょう。
(ちなみに、大手の消費者金融の中では、SMBCモビットだけが借り換えローンを提供していません)
4.まとめ「今のまま早期返済」する方がいいことも
基本的に、多くの人は「大手」で借りているはずです。銀行カードローンはともかく、消費者金融の場合大手の金利は、どこも同じです。つまり、「わざわざ借り換えする必要は、あまりない」わけですね。
「消費者金融から銀行カードローン」に乗り換えるなら別です。しかし「消費者金融から消費者金融」では、特に意味がないのです。
この場合、借り換えで余計な時間や労力をかけるより―。
- 今借りている業者・ブランドで
- とにかく早く返済する
…というのが一番いいんですね。早期返済するにはもちろんお金が必要ですが―。
- アルバイトを増やす
- 特に「日払い」の仕事をする
という努力をして、お金を調達すべきでしょう。結局、カードローンで支払う利息を少なくするには「稼いで、早く返済する」のが一番なのです。当たり前のような結論ですが、大事なことはいつでも当たり前のように単純なものです。
ぜひこうした「王道」を意識して、早期返済をしてください。