キャッシングでお金を借りるなら、大手が安心―。という考え方は間違っていません。アコム・SMBCモビット・プロミス・アイフルなどの大手を選ぶべき理由は―。
- 提携ATMが多く、借入・返済が便利
- 「初回30日間無利息」などの無利子期間がある
- スピード借入が、平日でも土曜日・日曜日・祝日でもしやすい
…という点にあります。逆に「大手の方が金利が安い」という、多くの人が考える「大手のメリット」は間違っています。
提携ATMが多く、返済・借入がしやすい
大手の消費者金融で借りる最大のメリットの一つは、借入・返済がしやすいということ。特に提携ATMが多いというのは大きな利点です。
- 中小業者は、コンビニ・銀行ATMが使いにくい
- 無料で使える自社ATMも少ない(ゼロか、全国で数台など)
というのがATMに関する違いです。また、ATM以外でも―。
- 大手はオンラインバンキングを使い、インターネット返済ができる
- 中小業者は銀行引き落としができないところもある
などの点で、大手は有利です。毎月の口座引落による返済は、一番メジャーな方法ですが、中小業者はこれができないこともあるんですね。
口座振替は、銀行と提携していなければできません。中小の消費者金融の場合、資金力も少なかったり、歴史が浅くて信用が少ない場合など、銀行引き落としが適用できないのです。
(実際、私が学生時代に利用していた学生専用キャッシングも、銀行引き落としができませんでした。なので、毎月返済日になると自分で振り込んでいたものです)
大手は「初回30日間無利息」がある
これはすべての大手ではなく、アコム・プロミス限定です。最初の1ヶ月の利息がゼロになる…というものですね。
最初の1ヶ月というのは、当然キャッシング総額が一番高いので、その分の利息がなしになる…というのは大きいです。実際、銀行カードローンと比較しても、最初の5ヶ月は、30日間無利息の消費者金融の方が利子総額が小さいくらいです。
まして金利が同じ消費者金融同士だったら、30日間無利息の業者に利息総額で追いつくことは無理なので、「プロミス・アコムが一番低利息」ということができます。
ノーローンには「何度でも1週間無利息」もある
アコム・プロミスの場合は「30日間無利息」ですが、ノーローンの場合「何度でも1週間無利息」というシステムがあります。
プロミス・アコムは初回のみしか適用されないのですが、ノーローンは何度でも繰り返し利用できる…ということですね。たとえば毎月の給料日前など、定期的に訪れるピンチの時に、役立つでしょう。
というような無利子期間が、大手の消費者金融にはありますが、中小業者にはありません。この点は確かに大手で借りた方がメリットがある…という部分です。
平日・土曜日・日曜日・祝日問わず、スピード融資しやすい
これも大手ブランドで借りる大きなメリットの一つです。平日でも土曜日・日曜日・祝日でも、いつでもスピードキャッシングしやすくなっています。
大手がスピード借入をしやすい理由は下の通りです。
- 審査の所要時間が短い(最短20分~30分)
- スピード審査の受付日時が長い
- 銀行振り込みでなくても、ローンカードを発行してATMから借り入れできる
という点です。審査時間が短いのは、やはり大手の強みです。圧倒的な成功のスーパーコンピューターを用いて、瞬時に書類審査(申込項目による審査)をすることができます。
スピード審査の受付日時についても、中小業者の場合、来店の手渡しか銀行振り込みでの融資が普通なので、どちらも店舗・銀行が開いている日時のみとなります。
この点、無人契約機によって審査し、カード発行もできる大手の消費者金融の場合、土曜日・日曜日・祝日でも夜間までスピード審査できる…ということです(年末年始でも、毎日21時まで審査できる…というレベルです)。
ということで「その日中にお金を借りたい」という場合も、やはり大手の消費者金融の方が有利でしょう。
大手も中小業者も、金利は同じ
次は「大手も中小業者も変わらない」という部分について書きます。
アコム・SMBCモビット・プロミス・アイフル・ノーローン…と言った大手の消費者金融。そして、名前も初めて聞くような中小業者…。
多くの人は、金利についてこう思うでしょう。
- 大手…低金利
- 中小業者…高金利
…と。しかし、これは間違いです。間違いの理由は―。
- どちらも法定金利の上限の金利設定なので、変わらない
- 10万円~100万円で「実質年率18%」は、みんな同じ
ということです。唯一大手の中ではプロミスだけが「17.8%」という金利で、「ほんの少し」安くなっています。しかし、これは10万円を1年借りて、他の消費者金融より「年間利息が200円安くなるだけ」です。
(ということで、違いはまったくありません)
法定金利の上限とは何か?
利息制限法では、金利の上限が下のように決まっています(借入総額ごとに、上限金利が変わります)。
- 10万円未満…20%
- 10万円~100万円未満…18%
- 100万円以上…15%
この利息制限法のルールについては、原文の要約(口語訳)も終盤に書いたので、興味がある人はチェックしてみて下さい。
大手の消費者金融の実質年率・一覧
まず、大手の消費者金融の実質年率(金利)を一覧にすると下の通りです。
SMBCモビット | 3.0%~18.0%(実質年率) |
---|---|
プロミス | 4.5%~17.8%(実質年率) |
ノーローン | 4.9%~18.0%(実質年率) |
アイフル | 3.0%~18.0%(実質年率) |
アコム | 3.0%~18.0%(実質年率) |
SMBCモビットの下限金利「3.0%」のみ突出して安いですが、これは「限度額800万円」と、極度額が大きいため。極度額が大きいほど低金利になるのはキャッシングの常識なので、SMBCモビットだけが金利が安い…というわけではありません。
ということで、消費者金融の金利は平均すると「4.5%~18.0%」となります。で、これと中小業者を比較すると…。
中小の消費者金融の金利(実質年率)一覧
主だった中小業者の金利を一覧にすると、下のようになります。
- ライフティ…4.5%~18.0%
- フクホー…7.3%~18.0%
- SGファイナンス…9.85%~18.0%
まず、ライフティについては完全に大手と同じことがわかるでしょう。また、他の業者の上限金利も「18.0%」と、消費者金融と同じです。
100万円以下の借り入れでは、大手でも中小でも上限金利が適用されます。つまり、多くの人のキャッシングでは、上限金利だけが重要なんですね。
その上限金利が同じということで、中小業者も大手の消費者金融も、金利面ではあまり変わらない、ということです。
(また、下限金利が中小業者の方が高いのは、SMBCモビットの逆で「限度額が小さい」からです。限度額が小さい場合、下限金利は高くなるのが基本です)
以上、大手の消費者金融でキャッシングするメリットと、逆に中小業者でも変わらない部分…、をまとめました。お金を借りる先で悩んでいる方は、参考にしていただけたら幸いです。
(ここから先は、利息制限法の要約になります。大手も中小業者も、法定金利の上限で金利設定しているという根拠です)
補足:利息制限法の要約
利息制限法の上限金利に関する部分は『第1条…利息の制限』に書かれています。
第1条が1項~3項に分かれていて―。
- 1項…10万円未満
- 2項…10万円~100万円未満
- 3項…100万円以上
について書かれています。原文では、「20%」などのパーセント表示ではなく―。
- 10万円未満…年二割
- 10万円~100万円…年一割八分
- 100万円…年一割五分
という風に、日本式(和風)の割合表示になっています。
利息制限法第1条の要約
第1条の条文を、分解して引用しながら、意味を解説します。(左側が利息制限法の原文です)
- 金銭を目的とする…物の貸し借りではない、ということ
- 消費貸借における…消費者への貸付での
- 利息の契約は、…そのまま
- その利息が、次の各号に掲げる場合に応じ…上に書いた、金額別の一覧のこと
- 当該各号に定める利率により…これもさっきの一覧
- 計算した金額を超える時は、…それぞれの金利を超える時は
- その超過部分について無効とする…オーバーした分は無効
ということです。ちなみに、ここ8年ほどよく言われていた「過払い金」というのは、この「超過部分」ということです。(出資法というもう一つの利息を定める法律では、合法だったんですけどね。29.2%までは)
…と、このような利息制限法によって、大手の金利も中小業者の金利も同じ…という状態になっているわけです。貸金業界の仕組みについて知りたい方の参考になれば幸いです。