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Fマネーカードの金利は、大手の消費者金融と同レベル

Fマネーカードの金利は、実質年率で「4.4%~17.8%」です。これは、完全に消費者金融と同じ金利。プロミスの「4.5%~17.8%」にきわめて近いです。

大手の消費者金融と同じ金利ということは、特に高金利でも低金利でもない、ということです。そして、スピード借入がしやすいかというと「融資まで最低10日程度かかる」ということで、スピード借入には程遠いです。

ということで、メリットがあるのは基本的に「ファミマTカードなど、ポケットカード(Fマネーカードの会社)での利用実績がある人」に限られると思ってください。そうした方にとては、申し込むメリットがあるカードです。

特に買い物をするなら、普通のクレジットカードの方が低金利

特に普通にショッピングをするつもりだったら、Fマネーカードよりも普通のクレジットカードの買い物枠を利用した方がいいです。通常のクレジットカードのショッピング枠の金利は、大体「15%」だからです。

同じ信販系ではあっても、買い物用ではなくキャッシング用の「Fマネーカード」は、少々中途半端な印象なんですね。消費者金融のように「キャッシング専業」だったり、普通のクレジットカードののように「ほぼショッピング専用」という風であれば、金利面や使い勝手で有利なのですが、残念ながらFマネーカードはその点で、中途半端と言わざるを得ません。

ポケットカードのサービスの利用者ならメリットがある

ここまでの内容は少々否定的ですが、これはあくまで「金利」「融資スピード」だけに注目した場合です。Fマネーカードにも当然メリットがあり、それは「ポケットカードのサービスを利用している人の場合、審査に申し込みやすい」ということです。

「ポケットカードのサービス」と言っても、すぐに出てくる人は少ないでしょう。しかし「ファミマTカード」といえばわかるはずです。ファミマTカードを利用している人は多いですが、この利用実績によって、Fマネーカードは普通のカードローン・キャッシングよりも審査に申し込みやすくなる…ということですね。

そのため、特にカードローン審査に通る自信がない人(クレジットヒストリーが悪い人・属性が低い人)などが申し込むのにおすすめです。「スピードキャッシングができなくてもいいので、とりあえず審査に通りたい」…というようなケースですね。そうした人に対しては、Fマネーカードはおすすめできます。

大手の消費者金融の金利と合わせて一覧にすると、どうなるか?

ちなみに、大手の消費者金融の金利を一緒に、Fマネーカードの金利を合わせて一覧にしてみましょう。

Fマネーカード 4.4%~17.8%(実質年率)
プロミス 4.5%~17.8%(実質年率)
アイフル 3.0%~18.0%(実質年率)
アコム 3.0%~18.0%(実質年率)
SMBCモビット 3.0%~18.0%(実質年率)
ノーローン 4.9%~18.0%(実質年率)

…という風になっています。見ての通り、上限金利の「17.8%」に関しては、プロミスとFマネーカードが並んで一番安くなっています。(といっても、100万円以下の借り入れで0.2%の金利差というのは、ほとんど違いがないのですが…)

下限金利については、一番安いのはFマネーカードといえます。SMBCモビットの「3.0%」というのは「800万円」を借りた時の金利で、Fマネーカードの方は「500万円を借りた時の金利」だからです。限度額が違うので、それも考慮すると「Fマネーカードの方が、SMBCモビットより下限金利が安い」ということになるんですね。

下限金利は、通常のキャッシングでは関係ない

このように、Fマネーカードの下限金利の安さは大きなメリットですが、実際にはほとんどの人のキャッシングで、下限金利というのは関係ありません。上にも書いた通り、Fマネーカードの場合は「500万円近く」まで借りないと、適用されないからです。

「300万円などの高額」を借りた場合は、確かに「下限金利に近い金利」が適用されます。しかし、それにしても「300万円を借りるには、年収900万円が必要」ということで、非現実的です。借りられる人はまずいないでしょう。

ということで、Fマネーカードの金利は「上限・下限ともに普通」であり、スピード融資がしやすいかというと、逆にしにくい―。ということで、「ポケットカードの商品の利用実績がある人のみ、おすすめ」という結論になるのです。


以上、Fマネーカードの金利(実質年率)について語りました。ここから先は、キャッシングの金利に関するコラムとして「利息の歴史」を紹介します。

キャッシングの金利は、いつから始まったのか

Fマネーカードの金利の話ついでに、「利息」の歴史を紹介しましょう。

利息はもともと「貸稲」からはじまっています。「いらしのいね」と読みますが、文字通り「稲を貸す=種籾を貸す」ということです。お米は食べることもできますが、それを種籾として、「次の稲作」に使うこともできます(というより、それをやらないと来年の収穫ができません)。

で、その種籾を「持っていない」農民が―。

  • 持っている人から借りる
  • それでお米を育てる
  • 収穫できたら、利息をつけて返す

…ということを、古代からやっていたわけですね。この時の利息を「利稲」といいます。

貸稲の利率はどのくらいだったのか?

古代なので利率はバラバラですが、「少なくとも2倍」はあったようです。つまり、100粒の種籾を借りたら、200粒で返す…ということです。「年利100%」ということですね。

現代のキャッシングで年利100%は完全なヤミ金ですが、これは農業だったら問題ないのです。というのは、お米は「一粒の種籾から、約460粒の米が取れる」ため。つまり「460倍」になるんですね。

それを考えたら、「むしろ利率230倍でもいいんじゃね?」というくらいなのです。そのため「最低でも2倍」は取られていたと考えられます。

実際、紀元前3000年頃に西洋で制定された「ハンムラビ法典」では、麦の利息が大体2倍程度になっています。麦の生産効率は米より遥かに低く、大体「36倍」くらいにしかならないのですが、それでも「2倍程度」だったわけですね。

ということで、古代人は利率に関して「かなり緩かった」といえます。実際現金と違って、米は使える用途が限られているので、それほどたくさんいらなかったというのもあるでしょう。

(余談ですが、ハンムラビ法典では「銀を融資する」場合の利率についても記録があり、これは「年利20%」です。現代の日本のキャッシングの上限金利@10万円未満の場合…と同じですね)

*参考資料『金貸しの日本史』(水上宏明/新潮社/2004年)

上限金利の制定を否定する、ノーベル経済学賞学者の理論

日本のキャッシングには、御存知の通り「法定金利」があります。

  • 10万円未満…20%
  • 10万円~100万円未満…18%
  • 100万円以上…15%

…という「利息制限法」の金利ですね。で、このように政府が「貸金業の最高金利を決める」ということに関しては、大昔から賛否両論があります。特に権威がある反対意見としては、1972年にノーベル経済学賞を受賞した、「イギリス最後の大経済学者」ジョン・ヒックスの理論があります。

ヒックスの代表作は『経済誌の理論』というものですが、その中で、下のような内容を書いています。

  • 政府はいつでも「法定金利」を決めたがるものである(民衆もそれを望んでいる)
  • しかし、これはうまいやり方ではない
  • 利子率がどう決まるかというと「貸し倒れのリスク」だけではない
  • 普通の商品の価格を決める時のように「あらゆる理由」によって決まっている
  • それを一律に制限されたら、金融業は没個性で不自由になり、活力をなくしてしまう

…大分カンタンな言葉に意訳していますが、意味としてはこういうことです。つまり―。

  • 貸金業者にとって「融資」は「商品」である
  • その「価格」は、家電製品などと同じく、「あらゆる理由」によって決まる
  • 金利が自由であれば、貸金業者は、自由な融資をできる
  • 返済能力が高い人にも低い人にも、それぞれに合わせた融資をできる
  • そういう自由さを封じたら、経済全体がどんどん不自由になっていく

…ということです。実際のヒックスの理論はもっと複雑で科学的ですが、言わんとすることは大体こういうことです。

(参考…『金貸しの日本史』P.123)

金利制限をして失敗した、寛政の改革(松平定信)

「江戸幕府の三大改革」の1つとして有名な「寛政の改革」。歴史の授業の重要単語なので、覚えている人もいるでしょう。これを仕掛けた老中・松平定信は、ヒックスの理論とは逆に「徹底して上限金利を規制」しました。

さらに武士がしていた借金を帳消し、あるいは無利息にする「棄捐令(きえんれい)」という政策も、連発しました。(現代でいう、自己破産・債務整理の奨励ですね)

これによって、札差(金貸し)は誰も武士に対して融資をしなくなり、武士の生活はさらに困窮する…という事態に陥りました。

(お金が借りれない以上、収入を増やすしかないのですが、経済が回っていない以上、収入が増えるわけはないですからね。

自伝で自画自賛する松平定信

このように、寛政の改革の金利制限や棄捐令は失敗に終わったのですが、松平定信はこの成果を、自伝の中で自画自賛しています。『宇下人言(うげのひとこと)』という書物ですが、その中で下のように語っています。

「金貸しは、もともとあまり喜んでお金を貸すものではない。しかし、棄捐令によって彼らはさらに貸さなくなった。これによって御家人の借金が減ったことは、永代の恵みである」

最後の部分は、原文通り書くと「永代之御恵」となります。自分の政策で「御恵」とまでいうのもなかなかすごいですが、彼はこのように「借りられない=良いこと」と信じていたわけですね。

確かに一理ありますが、しかし、現代の企業や政府も、すべて借金をしています。借金してでもまとまった資金を用意して、設備投資などをしていった方が合理的だからです。

個人の借金の場合、確かに少々性格が違いますが、それでも「借りられなくなる」という状態は、経済学で「信用収縮」といい、あまりいい状態ではないのです。「社会全体が、お金の回転に対して、疑心暗鬼になっている状態」ということですね。

…というように、金利の制限に関する議論は、古今東西あまり変わっていないのです。ヒックスの理論から30年以上経った後の日本でも、非難轟々の中「上限金利の引き下げ」が行われたわけですから。

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