学生がキャッシングすると、就職で不利になるか―。ポイントをまとめると―。
- 普通はならない
- 金融機関の就職の場合は、なるかも
- 返済履歴がいいなら、プラスの可能性も
- 個人信用情報を企業が求めてくることはない
- 求めてくる企業は、内定辞退した方がいい
ということです。以下、詳しく説明します。
金融機関以外は関係ない
企業も忙しいので、学生の個人信用情報まで、いちいちチェックしている暇はありません。また、筆記試験や面接などで「うちの会社・業界で働くのに、ふさわしい資質を持っている」と判断できたわけですから、個人信用情報がどうだろうと関係ありません。
経理なら別です。最初から「経理担当者」として試験を受けたなら、確かに関係あるかも知れません。会社のお金を管理している人間が、金銭感覚のルーズな人だった場合、会社のお金を横領・持ち逃げする可能性もありますからね。
ということで、「金融機関」や「経理部門」に採用される場合は、キャッシング歴が影響する可能性はあります。しかし、基本的にはほとんどないと思ってください。
返済履歴が良ければ、プラスになることも?
借金をしていても、その返済の履歴(クレジットヒストリー)が良好な場合はむしろ採用のプラスになる可能性があります。
これは人事部の価値観にもよるのですが、「そういう打たれ強い、少々の汚れ仕事が平気でできる人間の方がほしい」という大人は、意外と多いからです。実際、社会に出て大きい仕事をするのは、意外とそういう「ちょいワル」な若者だったりします(もちろん、成功するタイプはいろいろですが)。
ということで、人事部の採用方針によっては、むしろキャッシング歴が有利に働くこともあるということです。融資業務を強化しようとしている銀行などの場合、むしろ「顧客目線に立てる」と評価されるかも知れませんし。
消費者金融の場合、基本的に不利になる
逆に、アコム・SMBCモビット・プロミス・アイフルなどの大手のキャッシング業者に就職する場合、カードローンの利用歴はマイナスになる可能性があります。というのは、銀行と違ってこれらの貸金業者は、基本的なスタイルが「人間不信」だからです。性悪説に立って、行動することが多いわけです。
これを象徴するエピソードが、『ナニワ金融道』の序盤にあります。主人公の灰原達之は、サラ金で少し借金をして完済した後、勤め先の工場が倒産し、求人情報を見ながら、サラ金に次々に応募します。
しかし、ほとんどの業者で不採用になります。理由は「以前に街金業者からお金を借りている」ということでした。返済もなくまじめに完済していても、「以前借りていた」というだけで、審査に通してもらえなかったのです。
もちろん、これは90年代の話ですし、あくまで中小規模の街金業者の話なので、プロミス・アコムなどの大手はどうかわかりません。しかし、大手のキャッシング会社だって、このような小さな「街金」が、徐々に成長して、現在の姿になったわけです。
ということは、大企業となった現在でも「他の消費者金融からつまんでるような奴はダメだ」という文化があるかも知れません。実態はどうかわかりませんが、もしアコム・アイフルなどの大手の消費者金融に就職したい場合、借り入れはしない方がいいでしょう。
入社前に、会社が個人信用情報の提示を求めてきたら?
これは断っていいです。理由は、個人信用情報は完全なプライベート情報なので、他人に「見せろ」というのは間違っているからです。こういう要求をしてくる会社は、コンプライアンス的に問題があるので、就職を考え直した方がいいかも知れません。
しかし、何か個人信用情報の提出を要求されるようなことが、身に覚えのある場合、提出すべきでしょう。具体的にどんなケースかというと「プロミスに就職するのに、三井住友銀行のカードローンで延滞していた」というような場合です。
(プロミスはSMBCグループなので、もしこの延滞が事実だったら、就職でも確かに問題となります)
というように特殊なケースであれば、就職前の学生に対して、企業が個人信用情報を求めてくることもありますし、提出すべきです。しかし、普通は求めてくることはないですし、提出する必要もないので、断るようにしましょう。
以上、学生のカードローン利用は、就職試験で不利になるか、という内容をまとめました。学生でお金を借りようと検討中の方は、参考にしていただけたら幸いです。