キャッシング審査を通過するために「アリバイ会社」を使う人が、一部で見られます。これは違法ですし危険なので「絶対NG」です。ただ「アリバイ会社と知らずに」利用してしまう人もいるかも知れません。
それがないように、ここでは―。
- アリバイ会社とは、どんなものか
- どんなサービスを、いくらの料金で提供しているのか
目次
- 1.アリバイ会社とは何か?
- └ 1-1.キャッシング審査以外でもいろいろ使われる
- └ 1-2.信用できる会社なのか?
- └ 1-3.アリバイ会社が警察に摘発された例
- 2.アリバイ書類の費用・料金
- └ 2-1.「収入証明」の書類
- └ 2-2.「在籍確認」の書類
- └ 2-3.「在籍確認」の電話代行
- 3.アリバイ会社を利用する危険性
- └ 3-1.「ヤミ金の餌食」になる
- └ 3-2.内容によっては、ヤクザからゆすられる
- └ 3-3.「アリバイ会社の利用」を考えた時点で危ない
- 4.まとめ&参考サイト一覧
- 4-1.まとめ「アリバイ会社だけは、利用してはいけない」
- 4-2.参考サイト一覧
1.アリバイ会社とは何か?
- 1-1.キャッシング審査以外でもいろいろ使われる
- 1-2.信用できる会社なのか?
- 1-3.アリバイ会社が警察に摘発された例
1-1.キャッシング審査以外でもいろいろ使われる
アリバイ会社とは収入や勤務実態を「偽装してくれる」会社です。偽装は違法なので、「くれる」というのも変ですが…。
カードローン審査で使われることも多いですが―。
- 保育園の入園資格をもらうための、勤務実態の証明
- アパートの入居手続きのための、保証人
- 自営業者・会社代表者のためのバーチャルオフィス
- 人に見せるための収入証明書の作成
などの用途でも使われます。最後の「収入証明書の作成」については、たとえばマルチビジネスなどで「稼いだ実績」として利用されることもあります。
最近は「アフィリエイトのやり方を教える」というネットビジネスで「源泉徴収票を稼いだ証拠とする」手口がありますが、この程度の書類は、簡単に偽造できるものなので、注意してください。
1-2.信用できる会社なのか?
当然ですが、信用はできません。
- 電話サービス…詐欺罪
- 書類サービス…文書偽造罪
になるので、これらはそれぞれ「立派な犯罪」です。「キャッシング審査で利用する」程度なら軽度なので、申し込み者本人は有罪にならないということが多いです。
しかし、有罪にはならなくても、当然キャッシング会社にはバレます。バレたら―。
- ほぼ永久にブラックリスト
- 他の業者・銀行でも、もちろんブラックリスト
- 借入残高の一括返済を要求される
- 契約によっては「損害金」も要求される
というように、極めて危険です。だから、繰り返しますが「キャッシング審査でも、絶対利用してはいけない」ものです。
1-3.アリバイ会社が警察に摘発された例
実際、アリバイ会社は警察に何度か摘発されています。一番有名なのは、2010年に、札幌で起きたアリバイ詐欺事件です。ポイントをまとめると―。
- 札幌の無職女性が利用者
- 「年収825万円」という源泉徴収票を、アリバイ会社に依頼
- その源泉徴収票によって、「約5600万円」の住宅ローンを組んだ
- これが発覚し、アリバイ会社の社長らが逮捕された
…という事件です。「女性は逮捕されなかったのか?」と思うかも知れませんが、今でも見られる情報をチェックする限りは、女性は「逮捕」はされていません。
(ただ、相当なペナルティは受けているはずです)
2.アリバイ書類の費用・料金
- 2-1.「収入証明」の書類
- 2-2.「在籍確認」の書類
- 2-3.「在籍確認」の電話代行
2-1.「収入証明書」系
「収入証明書・所得確認資料」では、下のような書類を作成できます。
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 納税通知書
- 家賃補助手当証明書
普通の給与明細書は「3000円」、袋とじで密閉された本格的な給与明細書は「5000円」が相場です。源泉徴収票は「記載する年収」によって変わります。「年収400万円未満」なら「1万円」程度です。
「家賃補助手当証明書」というのは、「会社が、その人の住宅費を一部負担している」ということで、これもキャッシング審査では「収入の一部」としてカウントされます。
2-2.「在籍確認」系
「在籍確認」に関する書類げは、下のようなものを作成できます。基本的に普通の在籍確認は、電話のみでOKなのですが、「プロミス・SMBCモビットなど、書類の提出が在籍確認の代替措置になる」という会社では、これらの書類を使おうとする人も、いるのかも知れません。
- 名刺
- 社員証
- 就労証明書
- 在職証明書
- 勤務証明書
- 雇用証明書
- 内定証明書
- 採用通知書
名刺は「3000円」、その他の証明書は「8000円」程度が相場です。
ちなみに、SMBCモビット・プロミスで在籍確認の代替措置として必要になる書類は―。
- 会社の給与明細
- 会社の保険証
の2通りです。当然ですが保険証の偽造はできないので「結局、プロミス・SMBCモビットの代替措置を、アリバイ書類によって通過する」ことはできないと言えます。
(できたら軽い詐欺罪なので、当然できてもいけないし、やってもいけないですが)
2-3.「在籍確認」の電話代行
アリバイ会社の名義で「そこに勤務している」ということにして電話を受けてくれる「在籍確認の代行」。この料金相場は下の通りです。
- 5日…2000円
- 10日…3000円
- 20日…4000円
在籍確認は基本的に「1日」でいいので、ほとんどの人は「2000円」程度でOK、ということです。
また「初回登録料」として、5000円~7000円が必要になるということもあります。
3.アリバイ会社を利用する危険性
- 3-1.「ヤミ金の餌食」になる
- 3-2.内容によっては、ヤクザからゆすられる
- 3-3.「アリバイ会社の利用」を考えた時点で危ない
3-1.「ヤミ金の餌食」になる
アリバイ会社を利用する危険性として、あまり言われていないのは「ヤミ金のターゲットになる」というもの。当然ですが―。
- アリバイ会社を利用する時点で「かなりヤバい」多重債務者である
- となれば、ヤミ金がDMを送ればかなりの確率で「飛びついて」くる
ということです。実際、アリバイ会社の一部は「名簿屋」としても活動していて、集まってきた顧客のリストを、ヤミ金に流しているんですね。
人間は弱いもので、「どこからもお金が借りれない」という時に、ヤミ金からのDMが来ると、ついつい頼ってしまうものです。ヤミ金に手を出して破産した人々の体験談を読んでいると、みんな「自分は大丈夫」と思っていたということがよくわかります。
これを読んでもなお「自分は大丈夫」と思っている人が多いでしょうが、そういう人がアリバイ会社を利用すると、かなりの確率でヤミ金からお金を借りることになる…というのを意識してください。
3-2.内容によっては、ヤクザからゆすられる
「カードローン審査のアリバイ」くらいだったら、これはめったにありません。しかし、アリバイ会社は「裏稼業の人間」なので、「何かヤバいことに使おうとしてるな」というのは、依頼の内容からわかることが多いです。
その場合、彼らは探偵を利用するなどして、「アリバイサービスの使い道」を探ります。そして、それが犯罪だったり「バレたらヤバい」内容だった場合は、ヤクザと結託して、ゆすりにかかるということもあるのです。
もちろん、そこまで悪どいアリバイ会社は、さすがにほんの一部です。しかし、「そういうリスクもある」ということは、重々理解してください。
3-3.「アリバイ会社の利用」を考えた時点で危ない
そもそも、仮に「絶対安全&信用できるアリバイ会社」があったとしましょう。しかし「こういうサービスを利用しようと考えた時点」で、もう危ないというのは確かです。お金に困っているとそういう客観性をなくしてしまいますが、「借金のない、冷静な人々」からすると、間違いなく「危険な状態」です。
「アリバイ会社を利用した人の破産率」というデータは、当然出ていません。(アリバイ会社というサービス自体が「情報を表に出さない」ものですから、当然です)
しかし普通にキャッシング審査に通った人より、破産の確率が相当高いというのは、常識で想像できるでしょう。仮に「バレなかった」としても、「破産して自滅」する確率が、かなり高いのです。
4.まとめ&参考サイト一覧
4-1.まとめ「アリバイ会社だけは、利用してはいけない」
アリバイ会社を利用してはいけない理由を、もう一度まとめると―。
- キャッシング業者・クレジットカード会社にバレた時、最悪
- ヤミ金などのターゲットになることがある
- そもそも、アリバイ会社を使おうとしている時点で、危険信号
ということです。一番重要なのは「3つ目」です。すでに危険な状態なのだから、債務整理や一本化などを考えないといけないということですね。
「その一本化=返済計画再編を支援する融資の審査のために、アリバイ会社が必要なんだ」という人もいるかも知れません。その場合は一本化ではなく、債務整理が必要なレベルなのです。
ということで「カードローン審査で、アリバイ会社が必要な状況」というのはありません。くれぐれも、利用しないようにしてください。
4-2.参考サイト一覧
- Wikipedia「アリバイ会社」
- https://ja.wikipedia.org/wiki/アリバイ会社
- アリバイ会社の摘発の事例が、詳しく書かれている
- 某アリバイ会社の公式サイト
- 「鉄壁のアリバイ」をうたう会社のサイト
- 料金やサービス内容を参考にさせていただいた
- Yahoo!知恵袋「アリバイ会社の違法性」
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210434932
- アリバイ会社の利用は「軽度の詐欺」だが、実質警察は動けない…ということが書かれている
- SAFETY JAPAN(日経BP)『「アリバイ屋」という詐欺師の「便利ツール」』夏原武
- http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20111004/286173/
- 漫画『クロサギ』の原作者としても有名な、夏原武氏のコラム
- キャッシング審査などよりも、より大きな詐欺で、アリバイ会社が利用されていることがわかる