カードローンのルール

連帯保証人と普通(単純)保証人の違い ~借金の取り立てや、差し押さえのルール~

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連帯保証人と普通の保証人の違い。これは下の通りです。

連帯保証人だと…

  • 借りた本人より先に、連帯保証人に取り立てできる
  • 借りた本人より先に、連帯保証人を「差し押さえ」できる
  • 保証人が何人いても、借りた本人の「全額」を保証する

ということです。これが普通の保証人(単純保証人)だと―。

  • 「先に本人に取り立てろよ」と言える…催告の抗弁権
  • 「先に本人を差し押さえろよ」と言える…検索の抗弁権
  • 保証人が何人かいたら、借金の責任を「割り勘」で負担できる…分別の利益

という風になります。どの点でも「単純保証人と、連帯保証人では、責任がまったく違う」ということがわかりますね。

多くの人が連想する「連帯保証人」のイメージは、実は「単純保証人」なのです。実際の連帯保証人は、多くの人のイメージよりも、かなり責任が重いんですね。

連帯保証人は「本人」と同じ

そもそも「連帯」の意味ですが、これは「つながっている」という意味ではありません。「本人と同じ」という意味です。つまり、連帯保証人になった瞬間、借りた本人が1円も返済していないのに、いきなり連帯保証人に請求に来るということもあるのです。

ここであなたが「いや、あいつお金あるから返せるでしょ。あいつに取り立てに行ってくださいよ」と言っても通じません。これは「催告の抗弁権」というもので、「催告=取り立て」に対して「抗弁=反論」する権利というものです。

しかし、冒頭に書いた通り、連帯保証人にはこの「催告の抗弁権」がないんですね。単純保証人だったらあります。この「常識で考えて、当然の権利」が、単純保証人にはあるのですが、連帯保証人にはないのです。

差し押さえもいきなりできる

また、連帯保証人に対しては「差し押さえ」もいきなりすることができます。いきなりといっても、最短でも融資から二ヶ月くらい経ってからですが、本人を差し押さえせずに、いきなり連帯保証人を差し押さえるというのが可能なのです。

これに対しても、普通の保証人だったら「いや、先にあっちを差し押さえてくださいよ」と言えて、これを「検索の抗弁権」といいます。しかし、例によって連帯保証人にはその権利がありません。

ということで、いきなりの強制執行(差し押さえ)もあるのです。最短で「融資から二ヶ月」というのは―。

  • 最初の返済日を「2週間後」くらいにする(いつでもOK)
  • 「一日でも遅れたら、一括返済を請求するルール」にする
  • 一括返済に2週間遅れたら、「支払督促申立書」送る
  • そこから2週間後に「仮執行宣言付支払督促申立書」を送る
  • その2週間後に差し押さえ

というスケジュールです。あくまで一例ですが、最短ではこのくらいで、強制執行に持ち込めるのです。

連帯保証人は「分別の利益」もない

また「人数で割ることができない」というのも、連帯保証人の不利な点です。たとえば、借金する本人の苅田さんが、「500万円」借りるとしましょう。

そして「安心してくれ。保証人は君も含めて5人いるから、一人当たりの負担は100万円だけだよ」と言ったとします。このように「人数で負担を割れる」というのを「分別の利益」というのですが、これは単純保証人だけに許されている権利です。

連帯保証人は、またこれも「権利がない」わけです。ということで、仮に他に4人の保証人がいても、キャッシング業者(債権者)が「いや、あなた連帯保証人なんで、他の保証人の人数とか関係ないです。全部あなたから持ってきます」といったら、全額返済しなければいけないのです。

「本人と同じ」というのは、そういうことなんですね。借りた本人だったら、当然保証人が他に何人いようと「全部自分が返済する」のが当たり前です。連帯保証人は、そのくらいの責任を背負うのです。

(ちなみに、他の保証人が全員連帯保証人でも、分別の利益は消滅します。つまり「他の連帯保証人は、全員無事」ということもあり得るわけです)

連帯保証人に肩代わりさせる詐欺もある

ここまで読んで気づいたでしょうが「借りた本人」がわざとこういうことをするのも、可能なのです。

  • わざと返済せず
  • すべて連帯保証人から回収させる
  • その利益を、陰でこっそり業者と山分け

という風ですね。もちろん、プロミス・アコム・SMBCモビット・アイフルのような大手の消費者金融ブランドだったら、絶対こんな手口は使えません(そもそも、保証人自体なしでOKですし)。

しかし、中小業者だったらごく一部、闇金業者・悪徳業者も混ざっているので、そうした業者とあなたの知人がつるんで、こういう罠を仕掛ける…ということもあり得るんですね。

このような詐欺にはまらないためにも、連帯保証人は、家族や友人であっても、基本的にならないようにしてください。

自己破産した人の4分の1は、保証人が原因

日本弁護士連合会が2008年に発表したレポートによると、自己破産をする人の約4分の1(25%)が、「他人の借金の保証人になったり、肩代わりをしたことが原因」だそうです。それだけ保証人になったり、借金を立て替えたりするのは、危険なのです。

家族や親戚、昔からの親友の場合はなかなか断りにくいかも知れませんが、それでも、このデータは知って置いてください。それから、ここまで書いた「保証人と連帯保証人の違い」もよく知った上で、「それでもなる覚悟があるか」を考えてから、引き受けるようにしましょう。

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