キャッシング・カードローンに関する詐欺では、下のようなものがあります。
- 融資保証詐欺(貸します詐欺)
- DM詐欺
- アルバイト詐欺
- 保証人詐欺
- 債権回収詐欺
というものです。呼び名については、語る人によってそれぞれですが、ここではこれらの詐欺の手口・やり方などを説明していきます。
融資保証詐欺(貸します詐欺)とは?
これは下のような仕組みです。
- 「ブラックでも借入可能」「2%の低金利」などの広告で人を集める(これが「貸します」
- 来た人に対して「大手の消費者金融で借り入れをするように」言う
- 借り入れさせたお金を持って、トンズラ
というやり方です。どうやって大手の消費者金融で借りさせるのかというと、下のように言うわけです。
- うちは、大手のB社と提携しているんです
- で、B社の売上を伸ばすように言われているんですよ
- ということで、B社から借り入れしてください
- で、うち経由と証明できれば、2%の低金利にできます
- これで、あなたの今の借金も低金利になって助かるでしょう?
…という風です。「売上を伸ばす」というのは、下のような説明をします。
- 投資家に株を買ってもらうには、やはり「売上高」は大事なんですよ
- 今B社は売上を伸ばしたい時期で、そのためなら「2%の低金利でもいい」と思ってるわけですね
- つまり、経由してるのはうちですが、実際には「B社から2%で借りる」のと同じなんです
という説明です。これは確かにありそうなことなので、騙されてしまう人が多いんですね。で、その業者が仲介する理由については、こう語ります。
- それはもちろん、B社が直接やったらまずいですからね。
- 通常18%で融資してるわけですから、バレたらその人たちが怒るでしょ?
- というわけで、うちから2%で借りていることも、口外はしないでください
- バレたら「うちから漏れた」ということになるので、2%の金利は取消しになります
という風にいわれたら、誰でも「口外しない」と約束するでしょう。こうして、詐欺はどんどん発覚しにくくなるのです。(序盤で人にしゃべらなければ、彼らは逃げやすいですからね。あとで喋られる分にはいいのです)
…というのが「貸します詐欺」「融資保証詐欺」の手口の一つです。ここでは「低金利」で釣った場合を書きましたが「ブラックOK」「未成年でも借りられる!」などの宣伝文句で釣る場合もあります。
DM詐欺とは?
DM詐欺は、貸します詐欺と似ている部分もあります。貸します詐欺は新聞の広告や街角の看板なども使いますが、DM詐欺は、それをDM(ダイレクトメール)でやるということです。
郵便物を使うこともあれば、メールを使うこともあります。その後の手口は貸します詐欺と同じ…というのが一つのやり方。
もう一つのDM詐欺は「キャッシングの暗証番号を聞き出す」というものです。
DMで「キャンペーンに当選しました!」などと言い、「こちらの画面からログインしてください」などの方法で、IDとパスを入力させます。
そして、そのカードローンやクレジットカードの会員ページに侵入し、振り込み先の口座を変更し、振り込みによってキャッシングをする…という方法です。
当然その口座はすぐにカードローン業者から銀行に通報され、銀行によって凍結されます。しかし、もともと闇金業者が多重債務者やに開設させた「架空口座」に近いものなので、凍結されても問題ないんですね。
こうした凍結への対策として、彼らは「振り込まれたらすぐに」引き出すのです。これは闇金業者の鉄則として、『闇金ウシジマくん』にも書かれています。
アルバイト詐欺とは?
これは「カードローン会社の満足度調査のアルバイトです」と言って、借り入れ手続きをさせるもの。「お客さんが実際に借入審査を受けた時、その満足度がどのくらいかを調査しています」などというんですね。
で、アコム・プロミスなどのブランドで審査を受けさせ、通過させるわけです。通過した後、「では、調査結果を集計するために暗証番号が必要なので、こちらも合わせて教えてください」などと言います。
こうして文章で書くと胡散臭いですが、対面でごく自然に、かつ断りにくいように言います。
特に人がいい日本人の場合、ついついその場の空気に流されて暗証番号を教えてしまうことがあります。この時「調査のため」に、ローンカードも預かっているので、あとはコンビニ・銀行などのATMで引き出すだけです。
その後は、被害者なのに「自分が借りた」ことになってしまい、そのお金を返済していかなければいけない…ということです。
保証人詐欺
保証人詐欺の手口は、大体2通りに分かれます。
- 保証人をつけてあげます、といってつけない
- つけてくれるけど、全然役立たない保証人
という風です。後者については「バリバリ、ブラックリスト入りしている人」ですね。「むしろ、この人を保証人にしたら審査落ちしやすくなる」というような人です。
闇金業者で借りている多重債務者の中には、こういう「違法業者の手先」になる人が多いので、こういう手法がまかり通るわけです。
ちなみに、そのような「実在する人」を保証人につけるのではなく「架空の人物」をつける場合もあります。
債権回収詐欺
これは「債権回収会社を装う詐欺」です。下のような文書を「債権回収会社」の名前を名乗って送ります。
- あなたは、C社から300万円の借金をしている
- 2週間以内に一括返済しなければ、財産・給与を差し押さえる
- いやなら異議申し立てをし、裁判をする
…というものです。多くの人は毎日の仕事で忙しいので、裁判などやっている余裕がありません。また、こういう「債権回収会社」のようなところから手紙が来るだけで驚いてしまう人が多いのです。
また、日本人は法律の話が苦手なので、『裁判所』とか『強制執行』と言われるだけで、ビビってしまうんですね。
ということで、「よくわからないし、借金もしてないけど、とりあえず払っておこう」と、振り込んでしまう人がいるのです。もちろん、全員が引っかかるわけではありませんが、一定割合で引っかかってくれるだけでも、違法業者としてはかなり儲けられるわけですね。
ちなみに、この債権回収会社を名乗って、支払督促申立書を送る詐欺の手口は、金融庁などのサイトでも大きく扱って勧告されています。最近広まっている手口なので、注意してください。
以上、カードローンやキャッシングに関する詐欺の手口・手法・やり口などをまとめました。このような詐欺に引っかかると、それだけで数百万円を失ってしまうことがあります。
くれぐれも、このような詐欺被害に遭わないように、適度に見知らぬ他人を疑う意識を持って生きていってください。