延滞とブラックは何が違うのか―。これは―。
- 延滞…1日でも遅れれば、こう呼ぶ
- ブラック…延滞の場合「61日~3ヶ月」程度の日数で、これになる
ということです。今後の借入審査への影響を書くと―。
- 延滞…他の業者・銀行の審査なら問題なし(その会社のみ、不利になる)
- ブラック…どこの業者・銀行でも共有されるので、不利になる
ということです。
61日以上の遅延でブラックというのは、なぜわかる?
これは、こういう遅延・延滞などの情報を管理する「個人信用情報機関」で、そう公表されているため。JICC・CIC・KSC、それぞれの公式サイトで、ブラックリスト入りの基準となる延滞日数が書かれています。
CIC(シーアイシー)の延滞情報の管理について
CICが管理する個人信用情報には「支払いに関する情報」という部分があります。その中の26番に「返済状況」という項目があり、ここに「異動」と書かれていたら、いわゆるブラックリストということです。
で、異動と書かれる条件も明記されていますが、これは「返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」となっています。要するに
- 61日
- 3ヶ月
の2通りですね。どちらの日数が基準になるかは、その人の借入総額や遅延する時の事前連絡の有無・電話対応の誠実さなどの諸条件によって決まるようです。
参考URL→http://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf
JICC(日本信用情報機構)の場合
JICCでは、公式サイトのQ&Aで「3ヶ月以上延滞していたら、その記録がJICCに残っている。削除はいつされるか?」という質問があります。
これに対する返答を見る限り、JICCでは「3ヶ月以上」の延滞では、かなりの確率で事故情報として記録するようです。それより短い日数でブラックリスト入りさせることもあるかも知れませんが、少なくとも3ヶ月以上遅延したら、JICCでも事故情報・異動情報が残ると考えていいでしょう。
(参考URL→http://jicc.co.jp/faq/faq_03/index.html#9)
KSC(全国銀行個人信用情報センター)の場合
主に銀行カードローンの審査で関わってくるKSCの場合、「債務者(利用者)」をどのように分類しているか、という資料があります。その分類を見れば、
「3ヶ月」が記録の目安になっていることがわかります。(資料のURL)↓
http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/education/free_publication/pamph/pamph_08/dp2_2.pdf
これを見ると、何らかの問題のある借り手は「要注意先」として、フラグが立っていることがわかります。
そして、その「要注意先」の中でも「要管理先」として、特に警戒されている借り手がいます。これがいわゆる「ブラックリスト」の一部ですね。(KSCの場合)
で、その「要管理先」の条件の一つとして、「要注意先のうち、3ヶ月以上延滞または貸出条件を緩和している債務者」というものがあります。つまり―。
- 3ヶ月以上
- 遅延してたり
- 利息の軽減などをしている
という人が、この「要管理先」として、KSCでは「特別枠で管理」されるわけです。
このように「3ヶ月以上の延滞で、事故情報・異動情報を記録します」と書かれているわけではありませんが、「3ヶ月以上の遅延・延滞から、特別扱いしているということはわかります。
つまり、KSCでもJICC・CICと同様に、3ヶ月以上の遅延・滞納の場合、ブラックリスト入りする危険性がある…ということです。(もちろんJICCの時と同様、もっと少ない日数でも掲載される可能性はあります)
1日だけの遅延・延滞でも、「社内ブラック」に入る可能性がある
このように、個人信用情報機関に記録される延滞の日数は、61日か3ヶ月…というのが基本です。しかし、1日や数日という短い遅延でも、それぞれのカードローン会社・クレジット業者の中では記録されます。
これが「社内ブラック・内部ブラック」と呼ばれるもので、その会社でのみ通じる信用情報です。外部の借入審査には影響ないものの、全体で共有される一般の個人信用情報よりも、長期間保管される…というデメリットがあります。
なぜ社内ブラックの方が長期間記録されるのか?
社内ブラックの方が長く記録が残る理由。これは下の通りです。
- 全体の個人信用情報と違って、量が少ない(その業者・銀行の利用者のみ)
- 情報の管理期間について、法的なルールを受けない
- 個人信用情報と違って、開示の義務がない(例外はあるが)
ということです。これらの理由によって、JICC・CIC・KSCなどで記録される個人信用情報より、それぞれの業者・銀行・ブランドで保管されている社内ブラックの情報の方が、長期間影響する…ということは覚えておいて下さい。
個人信用情報に遅延・延滞の記録が残ると、何年消えないのか?
これは大体「5年」です。ただ、その日数や内容(借入金額など)によって変わるので、絶対に5年というわけではありません。もっと短い場合もあります。
また、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の場合は「その延滞を解消してから5年」というルールになっています。つまり「返済に遅れた日」からではなく、「遅れた分を、しっかり返済し終わった日」から数えて5年です。
ということで、延滞・滞納した分を完済しない限り、いつまで経ってもこの「5年」という記録期間が残るので、特に銀行カードローンで遅延した人は、早くその分を払うようにしてください。
61日以下の延滞日数でも、ブラックリスト入りするケース
ここまで書いた通り、61日や3ヶ月より短い日数の軽度遅延でも、ブラックリスト入りする可能性はあります。どのような条件かというと、たとえば下のようなものです。
- 遅れる時、業者・銀行に対して事前連絡がなかった
- 督促電話やハガキを度々無視した
- キャッシング総額が大きかった
- 日数は短くても、回数が多い
- 総合的なクレジットスコアが低い(年収なども含む)
ということです。これらの諸条件を吟味した上で、個人信用情報に残すかどうかを決める…というのが普通のやり方です。
ということで、単純に日数だけで決まるわけではありませんが、一応の目安として、61日・3ヶ月というキーワードを意識してください。